久元 祐子 「味」 探訪

青森・八戸

  
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名産品

 あけぼの(寿司)


青森は、陸奥湾、津軽海峡、太平洋、そして日本海で獲れる海の幸に恵まれ、とても魚が美味しいところです。
お寿司屋さんもたくさんあるのですが、中でも、この「あけぼの」は、ネタといい、雰囲気といい、サービスといい、申し分のない一流店です。

新鮮な帆立、烏賊、などはもちろんですが、直前まで生きていた海老のプリプリとした歯ごたえと甘みは絶品です。
穴子も生きたものをゆでるところに、お店の心意気が窺えます。
お花見の季節には、陸奥湾で揚がる特産の「トゲクリガニ」 もいただけます。
毛蟹よりも小振りですが、とくに、甲羅に卵がいっぱい入った雌蟹は絶品です。(毛蟹の雌は禁漁になっていて、北海道でも口に入りません。)
以前に比べて数が減っているようで、だいぶ値が張るようになっているのが、少々気がかりです。
このお店では、とても良心的な値段設定になっていて驚きました。

ひばの白木もまぶしいカウンター、器はすべて津軽塗りです。

あけぼの    
青森市古川2−16−7  
0177-34-2372  


 たこ常(蛸鰯料理)


八戸は、漁獲量日本一を誇る海の幸の宝庫です。
八戸には、そんな海の幸をふんだんに使ってユニークな料理を出してくれる店がたくさんあります。
杉本常雄さんのお店「たこ常」は、八戸の近海で獲れる蛸を中心に、鰯や烏賊などが楽しめるお魚のお店です。
新鮮な蛸の薄造り (写真)は、硬くもなく、柔らかくもなく、ぷりぷりとした独特の食感。
見た目も透き通るようで、とても美しい一品です。しかも、蛸の脳味噌の部分(何と呼んだらいいのか、特別の名前もあるのでしょうがよくわかりません・・・)も添えられていて、初めて味わいましたが、なかなか絶品でした。

蛸といえば明石の蛸が有名で、神戸に行ったときには、市場でときどき買って茹でたりします。もちろん、明石の蛸は素晴らしい味なのですが、八戸の蛸はまた全然違った味です。
一口に蛸といっても、獲れる所によって、味がまったく違うのも面白いですね。

コンサートの翌日、八戸の食品センターに連れて行っていただきましたが、烏賊(烏賊の水揚げは、日本の約3分の1を占めているんですって!)、蟹、雲丹、帆立など所狭しと魚が並べられています。魚好きの私は、ついついあれもこれもと買い込んでしまい、大荷物で帰るはめになってしまう八戸への旅です。
たこ常    
八戸市長横町8−2 ジャスマックビル八戸館1F  
0178-46-2626

 芝亭(郷土料理)


私はお酒はそんなにはいただけませんが、美味しい料理とともにほんの少しいただくのが好きです。ですからお酒の味がそんなに分かるわけではありませんが、八戸の芝亭でいただいた菊駒という地酒は、さわやかなのにこくがあり、とても好きになりました。菊駒が、地元のみなさんイチオシの美酒とうのも頷けます。

菊駒とともに味わいたいのが、八戸の郷土料理です。
中でももっとも贅沢な一品は、何と言っても「いちご煮」でしょう。新鮮な雲丹と鮑のお吸い物で、雲丹は、熱いお湯をかけると山苺のように見えることから、その名がついたそうです。
お椀の蓋を開けると、磯の香りが、添えられた青ジソの風味とともに立ち上ります。ふわりとした雲丹に、歯ごたえのある鮑のコンビネーションは、まさに最高の組み合わせでしょう。
下の緑のお皿は、「しどけ」という山菜のおひたし。ちょっとほろ苦く、自然の香りが口の中に広がります。地酒と郷土料理を心ゆくまで楽しませていただいた一晩でした。

各地の地酒を集めた芝亭では、利き酒でひとつでも当たると生ビールサービス!期間中でした。
トライしたところ、ひとつまぐれ当たりで気をよくした次第。
芝亭    
八戸市鮫字棚久保14−83  
0178-39-3311 


 いち郷(郷土料理)


八戸には、年に数回お邪魔しています。空港から市内へと向かう車窓で、外を眺めますと、季節ごとのたたずまいを感じることができる嬉しい訪問です。
春の月明かりの山道、からっとした初夏の風、すすきの穂の田園風景。道ばたの秋桜、そして雪景色。。。みちのくの四季は本当にさまざまです。
冬の八戸は、雪の量は青森ほど多くありませんが、風の冷たさは半端じゃありません。
この寒さの中で美味しいお魚をつまみに楽しむ地酒タイムは、ほっとするひとときです。とれたての北寄貝、歯ごたえのある鮃、、、などなど海の幸大集合のひとときです。
日本酒は結構翌日に残るので、あまりいただかないという方だったのですが、八戸でずいぶん鍛えられて?!しまいました。お酒と一緒に食べないと、美味しいお魚さんたちに申し訳ない。。。なんて言い訳はあり?!でしょうか。

ここ「いち郷」の雰囲気はあたたかく、板前さんは威勢が良く、お料理は美味しく、、、暖簾をくぐったが最後、ついつい長居してしまう居心地のいいお店です。
私は、五戸の菊駒が大好きで、八戸に行くと必ず「菊駒!」と注文をお願いしてしまうのですが、八戸の方は、いつものじゃないのにしようよ!とばかり、富山や新潟のお酒を注文されたりして、テーブルの上で「日本の旨い酒」が集まり、お酒の饗宴が始まってしまいます。八戸出身のお魚たちとともに、待ってました!とばかり、おちょこがからになっていくのを眺めている感じです。

いつもお酒をご一緒する愛称マリリンちゃんは、透き通るような色白美人です。しかも美声でキップも良くってしっかり者!八戸のお酒とお魚が育てた典型的八戸美人でしょう。
マリリンちゃん。また次の季節にね〜〜。

(2003.11.28記)

いち郷  
八戸市十三日町29−1 ウシジマビル2F   
0178−22−9911

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