久元 祐子 「味」 探訪

根岸・北千住

  
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名産品

 鍵屋


大学時代、上野や入谷の方はよく友達と散歩したものですが、鶯谷の駅の向こう側に、「根岸の里」と呼ばれる、とても味わい深い界隈があることは、ごく最近まで知りませんでした。

お寺も目立つ根岸は、何ともいえない、古き良き東京の香りが残る、素敵な街です。
マンションなどが増えているのは致し方ないのでしょうが、まだ、どっしりした瓦屋根の商店が並ぶ、一角もあります。
古くから続く和菓子屋さん、提灯やさん、蝋燭屋さん、せんべい屋さんなども目につきます。

「鍵屋」は、そんな根岸の里を歩いていてたまたま見つけたお店です。
江戸時代から続く酒屋が居酒屋になって続いているお店。
建物は大正時代に建てられたそうです。雰囲気は、大正時代のレトロな気分にあふれています。
戦前のポスターがかけられ、タイムスリップしたようです。
メニューは多くはありませんが、鳥皮焼き、鳥もつ鍋、、煮奴などがお酒の肴に合います。

後で雑誌に載っているのを見て、とても有名なお店だと知りました。
鍵屋  
東京都台東区根岸3−6−23−18  
03-3872-2227



 大はし


「北千住の幻の店に集合!」
お酒にはちょっとうるさい楽器店のスタッフの方のひと声で、調律師さんたちと盛り上がりました。
仕事でちょっと遅れてしまった私に、近くまで迎えにきてくださった調律師さんは、「みんなもうできあがってるから早く追いかけてね。」と、暖簾を割って案内してくださいました。
一歩店の中に入ると、そこは別世界。
明治時代からの写真、年代物のテーブルーそこには、江戸情緒と下町のパワーがぎっしり。空気自体が飛び跳ねてるような活気です。
カウンターの奥には、巨大な鍋。「ん?」と見やる私に、渋い大将が、「おねえさん、煮込みいくかい?」。
さっそくいただきましたが、これが絶品。
煮込みは臭味があってちょっと。。。と敬遠なさる方は、是非お試しください。きっとやみつきになること間違いなしデス。
カシラは噛むほどにじわっと風味が口に広がり、ほどよく味がしみた豆腐もまたとろけそうなグーな舌触り。これに焼酎という組み合わせは、長年連れ添う古女房の世界?(なんだか、男の人の気持ちがわかってきた?!?!)
焼酎は初めて見るボトルでしたが、これに梅シロップと氷を浮かべぐぐーっといっぱい。
老舗、名店という気取りはまったくなく、客とともに毎日うまいものを感じる。そこには哲学すら感じる江戸の根性のようなものが漂います。
結局、3時間早くから飲んでる先輩たちを、追いかけるどころか追い越してしまった愉快な夕べでした。

大はし  
東京都足立区千住3−46   
03−3881−6050   
★日、祭日休

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