久元 祐子 「味」 探訪

銀座

  
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名産品

 ぎんざ田中屋(蕎麦)


「へい。らっしゃい。」―江戸っ子と言う言葉で連想する食べ物のトップは、私にとっては、なんといってもお蕎麦です。
お蕎麦やさんには、やはり江戸らしい凛とした雰囲気が欲しいものです。
ここ田中屋さんに一歩入ると、美しい着物姿の女性の姿とともに、男性の店員さんも実に動きがきびきびしていて、江戸の伝統が伝わってきます。
お店の中はおつゆの香りが鼻腔をくすぐり、すぐに胃袋はお蕎麦モードに直進です。
お蕎麦は、地下の蕎麦打ち場でその日の朝に打たれたもの。細めのあっさりした食感です。
だしは、通常の3倍以上の鰹節を使っているとか。器は古今東西の名品が使われ、種類も豊富です。
肴も充実しており、蕎麦汁のだしをたっぷり含ませて焼いてある薫り高い卵焼き、活き車エビの天ぷらなどを肴に、ついつい日本酒がすすんでしまうお蕎麦やさんです。日本人に生まれて良かった!
明月庵・ぎんざ田中屋  
東京都中央区銀座6-6-19   
03-3571-8228
営業時間 11:30〜8:50 (日曜、祝日は、〜8:00) 


 しぇりークラブ


爽やかな5月の夕刻、久しぶりに銀座に出かけ、ル・テアトル銀座で「アマデウス」を観ました。
ひと月近いロングランにもかかわらず連日満員というのは、やはり松本幸四郎様のサリエリ、今をときめく市川染五郎さんのモーツァルトということか、それとも演出の妙かとの興味ででかけた次第です。
オペラの演出家の方などとお話ししていると、何ヶ月も血のにじむような努力を重ねてようやく本番の日を迎えても、たった1回、多くてもせいぜい3回で千秋楽を迎えてしまうことがほとんどの日本のオペラの世界。保存のための予算もないオペラ劇場などでは、本番の終わった翌日は、美術も大道具も粗大ゴミ置き場行き。涙が出る瞬間!とのことでした。それに比べて、何という恵まれた状況でしょう。毎日昼の部、夜の部、ということでキャスト、スタッフの方たちは、本当にエネルギーと体力のいることだと思いますが。。。。
前置きが長くなりましたが、このアマデウスが終わり、居酒屋、焼肉屋さんとはしごしたあと、シェリーでも飲んで帰ろうということになって寄ったのが、この店です。泰明小学校脇の路地を入ってすぐのところにあります。
このところ本番が続き、朝から晩まで練習して一日終わり、、、なんてこともざらで、贅沢するのも久しぶり!よ〜し、今夜は飲もう!銀座は、気分まで大きくしてくれるのかもしれません。
ハモン(生ハム)、トルラージャ(スペイン風オムレツ)をおつまみに、ドン・ホセ・マリア・アモンティリャードという辛口の一杯のあと、甘口ながらさっぱりしたサン・ドミンゴ、名前につられてついつい頼んでしまった愛の味超甘口の「ラウラ」、「オビスポ・ガスコン」に「サン・ラファエル」とたっぷりシェリーを味わう一晩となりました。
驚いたのは、メニューのスペイン語がわからないので、マスターに聞いていて、「このハモン・オジマ」のオジマってどういう意味ですか?とお聞きしたら、「尾島さんというお名前からですよ。」とのことでした。
世の中狭い!生ハムの尾島博さんのことは、Serrano のページでも紹介済みです。
スペインの香りがむんむん。バルセロナでひと月ホームステイしたときのホストマザーのあたたかい笑顔とスペインの乾いた風、そしてスペイン語のにぎやかでエネルギッシュな響き、、、が蘇った一晩でした。
(2004.5.21 記)

しぇりークラブ  
銀座6−3−17 悠玄ビル2−3F  
03−3572−7017

 タベルナ・クアーレ(イタリアン)


生まれて初めての発表会が銀座。最初に入賞したコンクールの会場が銀座、最初に買った楽譜のお店が銀座、、、と節目節目にお世話になっている銀座です。
新宿住まいの私ですが、銀座の通りに出ると、ちょっと姿勢を正してみゆき通りを歩いたりする気分になります。
銀座線の銀座駅から昭和通りの方に歩いて2分。三越の斜め向かいのとても便利な場所にあります。
階段を下りると、石造りの壁に囲まれ、そこはまるでイタリアにいるかのような雰囲気。奥の席に座ると、ガーリックの香りが鼻をくすぐり、マンジャーレモード一直線。
前回は、アボガドと海老の前菜、雲丹のパスタ、手長海老のグリル、などからなるコースをいただきましたが、今晩は、アラカルトに挑戦。
スズキのカルパッチョ、浅蜊がたっぷり入ったパスタの次に、蛤とホタルイカの紙包焼きをいただきました。白ワインにとてもよく合います。
ワインを赤にかえて、今度は、子羊のグリル。個人的にはもう少しジューシーだったら言うことなしなのですが、味付け抜群。そのあとは、チーズの盛り合わせを頼み、赤ワインをゆったりと。。。
お料理、雰囲気、サービス、、どれも満足度の高いお店で値段もリーゾナブル。銀座というと敷居が高いお店もたくさんで、入るのに勇気がいることもありますが、素敵な人といい時間を過ごしたい、、、という時にはピッタリのお店かと思います。
楽しい食事を終え、陽気にお店の階段を上ると、銀座の街のネオンも違って見えるかもしれません。
(2005.4.30記)
タベルナ・クアーレ  
中央区銀座5−10−1 プリンスピルB1 
03-3575-1576


 クレオール(銀座第一ホテル カフェ)


「日本一のアップルパイを食べに行きましょう!」― 講演や旅行であちこちを飛び回っておられる英語の先生に連れていっていただいたお店です。
レストラン宴会課の齋藤秀智さんがとびっきりの笑顔と一緒に運んでこられたアップルパイは、左の写真にありますように、大振りにカットされています。
フォークで切れ目を入れると、甘酸っぱく、同時に何とも言えない高貴な香りが漂います。
林檎は、品種によって甘い味の物も多いのですが、やはりアップルパイに入れる林檎は適度に酸っぱくあって欲しいものです。
さくさくっとした生地と、中のまろやかでひきしまったアップルジャムの取り合わせは絶妙でした。

アップルパイとともにいただくのは、やはり珈琲よりミルクティー。「うーん。幸せ!!」の気分です。
私は大の林檎好きで、朝のヨーグルトの友として、練習の合間のエネルギー補給として、しょっちゅう口にしています。風邪をほとんどひかないのは、林檎のおかげもあるのかもしれません。

クレオール(銀座第一ホテル内)   
東京都中央区銀座8-13-1   
03-3542-5311

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