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- 青春の追想
- モーツァルトが旅先から出した手紙では、一刻でも早く妻のもとに帰りたいと書いていますが、モーツァルトはマンハイム、アウグスブルク、ミュンヘンと、青春の想い出が残る街々をたどりながら旅を続けることになります。
10月23日には、ライン川とネッカー川が合流するマンハイム(Manheim)に到着しました。
- 宮殿でのコンサート
- マンハイムの郊外、離宮のあるシュヴェッツィンゲン(Schwetzingen)で《フィガロの結婚》が上演されることになり、モーツァルトは試演に立ち会うため出かけています。妻コンスタンツェ宛の手紙です。
「あした、シュヴェッツィンゲンに庭園を見に行く。 ― 晩には、当地で『フィガロ』が初演される。 ― そのあと明後日、ぼくらは出発する。ぼくがまだ当地にいるのは、ほかでもない『フィガロ』のためだ。
― というのは、出演者全員がぼくにもっと長く滞在して、稽古に立ち会ってほしいと懇願しているからだ。それできみへの手紙も書きたいだけたくさんは書けない。ちょうどいま舞台総稽古の時間なんだ。
― そう、少なくとも第1幕がもう終わるところだ。 ― 」(1790年10月23日付けの手紙)
モーツァルトの手紙にあるように、シュヴェッツィンゲンは、美しい庭園があることでも知られます。モーツァルトにとって懐かしい場所でした。
モーツァルトはこの後、アウグスブルクに立ち寄りますが、アウグスブルクでベーズレ嬢に会ったかどうかはわかっていません。ベーズレ嬢はこのとき既に私生児を生んでいました。
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