さくらコンサート

今年8月、弘前城本丸石垣は100年ぶりの大修理着工。そのあと天守と桜のコラボが楽しめる下乗橋からの眺めは、平成34年春まで待たなければならないそうです。今年の「さくらまつり」が見納め、しかも お濠の水が抜かれており、そこに入れるチャンスは今だけ!とあって、想像以上の盛り上がりを見せていました。

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タイムスケジュールには、”観光”の時間が全く入っていなかったのですが、「祭の期間中、車はすごく混むので、ホテルからホールまでは、公園を歩いてきてくださいね」とのこと。そのおかげでプチ観光となりました。公園内の出店で、津軽美人の笑顔に惹かれ、珈琲とドーナツで一休み。津軽弁は、4度音程(ド~ファ)でできている、という説がありますが、独特の「ありがと~う」の温かい響きは、人情味あふれ、心が和みます。

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水に浮かぶ桜の花びらが絨毯のように見えます。桜の筏に乗って、一日雲を眺めていたいなぁ・・・なんて。(体重制限で沈んでしまいますね。。。失礼!)

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数年前、桜前線を念入りに調べ上げ、それに合わせて全国ツアーを組んだ友人が、行く先々で散った葉桜しか見れなかった・・・と嘆いていましたが、おてんとうさまのご機嫌次第のことに合わせて、人間が予定をたてるのは難しいということでしょう。

昨年お話をいただいたとき「4月で、あいている週末は、この日しかないから・・・」という理由だけで、たまたま今日に決まったコンサートでしたが、、、無欲の勝利?!
お天気にも恵まれ、おかげさまで文字通り「さくらコンサート」となりました。

1964年4月に前川國男氏の設計により、建築された弘前市民会館。一昨年改修工事が行われ、2014年にリニューアルオープンしたばかり。打放しコンクリートの斬新な外装はそのまま維持されましたが、棟方志巧の緞帳が京都の織物職人さんの手により復元、再生されたり、客席も改装されたそうです。ピアノのコンサートは、緞帳を使わないことが多いので、今回拝見できず残念でしたが、いつか客席で見てみたいと思います。

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赤い扉が楽屋口になっており、方向音痴の私も迷わず、楽屋入り。階段を降りるとすぐにステージ上手に直結。出演者にとって、これほど動線の少ないホールは珍しいかも・・・。

弘前市民会館

木がふんだんに使われたホールは、適度な残響が気持ちよく、奏者にとっても自然で素晴らしい音響でした。今回は、弘前の子供たちとのコラボで「動物の謝肉祭」も演奏。ホールにある新旧2台のスタインウェイがステージに乗りました。昨日のリハーサルのとき、急遽、私のソロコンサートも2台使って演奏することに決定。モーツァルトのソナタ2曲、ショパンの小品4曲を新旧スタインウェイで弾き分けました。

同じ奏者が2台両方を使ったのは、「画期的。会館始まって以来」とのことで、「それぞれのピアノの特色が出た!」と会館の皆さんも喜んでくださいました。

コンサート開催にあたり、熱演してくださった子供たち、そして、多くの皆様のご尽力に感謝申し上げます。

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