モーツァルト KV454 with マエストロ プーレ

来月1月19日のモーツァルティアン・フェライン例会400回記念コンサートで共演させていただくジェラール・プーレ先生のお宅に伺い、モーツァルトのヴァイオリンとピアノのためのソナタKV454のリハーサルをさせていただきました。
プーレ先生は、シェリングの愛弟子としても知られるフランスの大家です。お父様のガストン・プーレ氏はドビュッシーのヴァイオリン・ソナタをドビュッシーのピアノで初演された方。
プーレ先生はパリ国立音楽院を退官後、藝大の招聘教授を務められ、現在は昭和音大の客員教授をされています。今はパリと東京を半々の生活。クリスマス休暇の帰国直前の空き時間をKV454のために割いてくださいました。

「僕の最も好きなソナタ!共演がすごく嬉しい。」と迎えてくださったプーレ先生。

伺った時間、ちょうど学生さんがブラームスのヴァイオリンソナタ第1番(私がちょうど昨日ベーゼンドルファーで永峰先生と共演させていただいたばかりの曲)の厳しいレッスンを受けている最中でした。
「君は一足飛びに格好よく弾こうとしている。楽譜をきちんと読んでいない、アーティキュレーションも考えていない、音の意味も追求していない、ただ弾いているだけだ!アマチュアならばそれでいいがプロには許されない。」と穏やかな口調ながら鋭い指導が続いています。

ロン・ティボーコンクール優勝者を輩出する厳しい教育者の一面を垣間見せていただきました。「私達は長い道をマラソンのように一歩一歩努力しなければならない。すぐに上手くなろうなんて考えを捨てなければならない!」という言葉が印象的でした。

学生さんを励ましながら送った後、モーツァルトKV454のエキサイティングな合わせを1時間半。すべての音の方向が見え、気品とエネルギーに満ち溢れた演奏に感動。正確な音程、美しい音色、厳格かつ自由なテンポ、、、。多くの示唆をいただきました。KV454の魅力を再発見!新年が楽しみです。

帰宅すると母からの封書が郵便受けに。新聞記事の切り抜きが入っていました。パリのオークション クリスティーズで競売にかけられたモーツァルト13歳の頃の肖像画(ジャンベッティーノ・チニャローリ画)が4,8億円で落札されたニュースです。パリの大ピアニスト、アルフレッド・コルトーのコレクションから出品されたとのこと。

落札したのはモーツァルトに魅せられた愛好家なのか、はたまたコルトーのような演奏家が購入されたのか・・・?!
「モーツァルトもビックリ!」の値段にびっくりです。

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