立春

2月2日の節分は歳徳神様がおられる南南東を向きながら恵方巻を食べ、幸せを願いました。翌2月3日立春。
1月から続いた大学の学年末試験、最後の審査を終え、ほっと一息。大学近くを流れる玉川上水も早春の光を浴びていました。

太宰治が38歳の若さで最期を迎えたことで知られる玉川上水。近くを歩くたび「人間失格」の登場人物や太宰の出身地、青森五所川原の風景などが目に浮かびます。

先日発刊された大学の図書館の季刊誌「ぱるらんど」に、図書館長の井上郷子先生がエッセーを寄せておられました。昨年逝去された哲学者アルフォンス・デーケン氏の「死生学」についてです。デーケン氏は「死には4つの側面がある、、、肉体的な死だけでなく、生きる意欲を失う心理的な死、寄り添う人がいない社会的な死、心の潤いを感じる生活ができなくなる文化的な死がある」と指摘しました。

芸術に携わる多くの人々が、沈没しそうになった音楽や演劇の営みを何とか死守しようとしたのは、「生きる」上での必然だったのではないか、と井上先生は書かれています。

自分自身は「死」について考えたり「いかに生きるか」ということを考えることもなく、ひたすら走ってきた感があります。井上先生が仰るように「一年に一度くらいは走ることを中断して、生きること死ぬことについて考える」ことが必要なのかもしれません。

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