モーツァルト:2つの2台ピアノ作品

7月4日は、朝日カルチャーセンター横浜教室でレクチャーコンサートに出演。

今週10日出演の日本モーツァルト愛好会 第556回例会のプレトーク講座というスタンスで、お話と演奏をさせていただきました。

いわば本番に向けての「仕込み」段階のご紹介。今回指揮者伊藤翔さんとの共演ということで、指揮者の目、耳、解釈にあらためて感服。ピアノ弾きとしての感覚、経験値と突き合わせながら、一つの方向にもっていくのは、時間もかかりますが、とても楽しい時間でもありました。具体的に演奏しながらお話しし、演奏の場面では、アシスタントとしてモーツァルトを勉強中の角南紅葉さんもお手伝いしてくれました。

「今年生誕270年ということでずっとモーツァルトを弾いて楽しんでいる」とおっしゃる美しいご婦人や、いつも演奏会にいらしてくださるモーツァルト通の方、モーツァルトの演奏会とあらば世界中どこにでも・・・というモーツァルト愛の塊のような愛好家の方まで、真剣なまなざしで聞いてくださいました。

モーツァルトが2台のピアノのために書いた曲のうち、完成された作品は2曲のみです。優秀なお弟子さん、アウエルンハンマー嬢との共演を想定して作曲された2台ピアノのためのソナタニ長調KV448。もう1曲は、フーガハ短調KV426

ソナタKV448は、溌剌としたテーマで始まる人気曲です。試験前にこの曲を聞いた学生と聞かなかった学生を比較した実験結果から、「モーツァルトを聴くと頭がよくなる!」という学説がアメリカで発表されたのが、1993年。直後、この曲のCDが爆発的に売れたそうです。そして一時期ブームになった「のだめカンタービレ」では千秋と「のだめ」が演奏したことで再びスポットが当たりました。明るいドラマにピッタリの曲想ですが、2楽章のしっとりとしたアリアを思わせる歌心や3楽章の躍動感など、どこをとっても魅力満載のソナタ。アウエルンハンマー嬢がいかに優れた腕前だったか、曲自身が証明しています。

そしてフーガハ短調KV426の方は、ソナタが書かれた2年後に完成されています。こちらは、打って変わって非和声音、不協和音の嵐。最初弾いた時には、名曲でなくて迷曲。。。一つ一つ繙きながら、提示部、喜遊部の音色の差、音量バランスの組み立てなど、構築していきました。講座にご参加くださった受講生の皆様の中には、モーツァルトの意外な異なる一面に驚かれた方も多いかと。
演奏機会の少ない作品ですが、「愛好会」のプログラムとして取り上げることに意義があると思い、プログラムに加えました。

これらの他、ブゾーニ編曲の「魔笛」序曲。そして翔さんがオーケストラパートを編曲されたモーツァルト:ピアノ協奏曲第21番。

今日は、緻密な翔さんと共に最後のリハーサル。あとは個人練習に入ります。
今週の「花金」(古い表現ですが(笑))にお時間の許す方、新宿オペラシティにてお楽しみいただけましたら幸いです。

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