地下鉄に乗り、ウィーン・コンツェルトハウスへ。。。朝10時半録音スタート。

1曲通して弾き終えたところで「サジェスチョンしてもいい?」と素晴らしい提案をくれるマルコ。
曲の全体像、音の方向性など、音楽と演奏を見通した大きな視点からアドバイスをくれます。それを音として具現化していく演奏者。
音楽を再創造していく「喜びに満ちた時間」でした。

「ここは大波が怒涛のように押し寄せる音が欲しい。ソロと思って弾いてくれ!」
「この最後の音はこの世の終わりを告げる絶望的な音で!」
そして作曲家のおかれた社会状況にも思いを馳せます。
「曲ができた1943年の状況を想像してみて。このウィーンにユダヤ人が一人もいなくなった年だ。」と語ります。
今回の録音でブルックハルトが使っている楽器は、フルトヴェングラー時代ベルリン・フィルで演奏していた大叔父さんのヴァイオリンです。
当時、ユダヤ人であるために、ベルリン・フィルを去らなければならなかった大叔父さんの哀しみは、楽器を通して受け継がれているように思えます。
「この深刻な曲を終えて、次の曲を1回録ったら、昼ご飯に出よう!」とベトナム料理店で気分転換。
マルコのもとに早速巨大なお肉料理が運ばれてきましたが、まったく箸をつけません。「どうしたの?冷めてしまうじゃない。」と訝る私に
「ドイツではレイディより先に食べ始めない。レイディが食べ終わった瞬間、自分が食べていてもそこで食べるのをやめる。」という躾を受けてきたのだそう。
食べるときには、野獣のようにワイルドに平らげるのですが、レイディファースト精神が徹底しています。
「ドアを開けて先にレイディを通す、荷物を持つのは男性。先に食べ始めない」という男性陣のマナー。そこまでしなくても・・・と思うのは私だけでしょうか。
主人の荷物は私が持ち、主人の後からついていく、さっさと夫が先に食べ始める。という日本の習慣は、信じられないそうです。だいたい「主人」などという言葉は使わないでしょう(笑)。
「今回の仕事は本当に音楽的で楽しい!」そして「Yuko!君も幸せ?」と度々尋ねるマルコでした。
7曲を残し、今日で16曲の収録が終わりました。


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