久元 祐子 著書 書評 | |||
「原典版」で弾きたい! モーツァルトのピアノ・ソナタ
Jupiter2013年8-9月号白黒の音符たちに、いかに多彩な色を感じ、様々な表情を読み取るか。 ぶらあぼ2013.11月号モーツァルトのソナタを原典版で弾きたい!と思っていても楽想記号が少ないその原典版の楽譜に戸惑いを感じる・・・という方の悩みを一気に解決する一冊。演奏のイメージを膨らませる一つのアプローチとして、原典版の特徴を、譜例を使って丁寧に紐解く。 Jupiter Vol.143|2013.12・2014.1演奏をする上で「楽譜を読む」、つまり作曲家の意図をどこまで読み取るかは、永遠の課題だ。ピアノ作品でも、例えばウィーン原典版、ベーレンライター原典版などの「原典版」はオリジナルに最も近いが、表現方法については詳細な指示が書かれているわけではない。そのため、解釈の異なる様々な校訂譜が出版され、演奏家はそれらを見比べながら表現方法を模索する他ない。本誌連載中のピアニスト・久元祐子が、ピアノ・ソナタを題材にモーツァルトの表現方法を紐解いた。デュナーミク、アーティキュレーション、スタッカート、装飾音などについての徹底した解釈は、歴史的楽器の演奏に取り組み、作曲家の時代の音を探求する著者ならでは。譜例集も充実。一見やさしいようで奥の深いモーツァルトのピアノ・ソナタだが、こんな手引書があれば、楽譜を「原典版」に換えてあらためて向かい合うのも楽しいのではないだろうか。(み) ピアノの本2014年1月号No.232楽譜を探したのだけれど、異なった出版社から同じ楽曲がいくつも出ていて、どれを選んだらと困ってしまった・・・そんな悩みの方は少なからずおいでだろう。高名で、しかも19世紀末までの作曲家の楽譜は多い。本書はモーツァルトのピアノ・ソナタを扱う。だが、ここにあるのは出版されている楽譜というのをどう見るか、実際に弾く、解釈する上で何が重要かの示唆だ。それでいて、かつてはピアノを弾いていたけれど離れてしまった、そんな人に向け、あらためてピアノを弾くよろこびをモーツァルトを通して伝えようともしている。楽譜の選択のみならず、多くの譜例を用い、スラーや弓のイメージ、装飾音、ペダルといったぐあいに、細部への注視を具体的に教えてくれることも特記しておきたい。 著 書 へ |
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