クラヴィーア作品について 
Klavierwerke
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Mozart
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ケッヘル番号と新旧の全集

 モーツァルトの作品の分類については、古くから、ケッヘル番号が使われてきた。ケッヘル番号は、19世紀の法律学者、植物学者、鉱物学者でもあった、ルートヴィヒ・リッター・フォン・ケッヒェル(1800-77)によって作成された作品番号である。
 ケッヘルは、当時知られていたモーツァルトの作品を、未完や断片を含め、年代順に整理して番号を振り、1862年に出版した。これが「モーツァルト全作品年代順主題目録」であり、その後版が重ねられているので、このときのケッヘル番号は第1版の番号ということになる。私は苦手だが、モーツァルティアンの方の中には、主要な作品につけられたこの第1版のケッヘル番号を暗記している方も多い。
 1877年には、モーツァルトの作品をジャンル別に分類し、すべての作品のスコアを網羅した全集を出版しようという試みが始められ、1883年に完成してライプツィヒのブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版した。これがいわゆる旧全集である。
 ケッヘル番号は、その後数次の改訂が行われているが、大きな改訂は、1937年に刊行された第3版によって行われた。第3版の編集は、20世紀のモーツァルト研究に大きな足跡を残したアルフレート・アインシュタインの主導によって行われたが、アインシュタインは、かなり直感的な作曲年代の推定を行ったため、その後の研究によって訂正が必要になってきた。自筆譜を含めた研究により、新しい事実が次々に明らかになったいったが、そのような成果をふまえ、1955年からいわゆる新全集(Wolfgang Amadeus Mozart: Neue Ausgabe Saemtlicher Werke)の編集が開始され、1991年、モーツァルト没後200年の年に完成を見た。新全集は、ベーレンライター社から出版されている。
 ケッヘルの作品目録についても改訂の作業が進められ、1964年には第6版が出版されている。これまでの改訂では、初版のケッヘル番号を変更することなく、これを維持し、加えて別の番号を振るという方法が行われてきた。多くの事典や解説書では、初版のケッヘル番号を記し、括弧書きで第6版の番号を加えるという方法がとられている。たとえば、「クラヴィーア・ソナタ イ短調  KV 310(300d)」といったふうに。

ケッヘル番号と新旧の全集

 「新全集」における作品の大分類は、次のとおりとなっている。

  • 1.声楽による宗教作品(「ミサ」など4項目)
  • 2.劇場音楽(「オペラとジングシュピール」など3項目)
  • 3.リートとカノン(「カノン」など3項目)
  • 4.シンフォニーなど(「シンフォニー」など3項目)
  • 5.コンチェルト(「クラヴィーアと管弦楽のためのコンチェルト」2項目)
  • 6.教会ソナタ
  • 7.アンサンブル音楽(「6ないし13の管楽器のためのディヴェルティメントとセレナード」など2項目)
  • 8.室内楽(「弦楽五重奏曲、管楽器を伴う五重奏曲」など5項目)
  • 9.クラヴィーア音楽(次の説明を参照)
  • 10.補遺


クラヴィーア音楽の分類分

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