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- はじめに
- 「モーツァルトと旅」のページでは、モーツァルトが過ごした都市を、生まれ故郷のザルツブルク、そして、移り住んだウィーンを含め、年代順にたどります。
全体は、次の4つの部分に分かれています。
モーツァルトの旅1.1756−66
モーツァルトの旅2.1766−71
モーツァルトの旅3.1771−81
モーツァルトの旅4.1781−91
モーツァルトの足跡については、多く文献がありますが、特に、
Peter Dimond(compiled), A Mozart Diary ; A Chronological reconstruction of the composer's Life,
1761 - 1791 (Greenwood Press, 1997)
を参考にしました。
- 人生の3分の1が旅
- モーツァルトは、36年に満たない短い人生の中で、およそ3分の1にあたる10年以上を、旅先で過ごしています。とりわけザルツブルク時代には、多くの国々を回り、「神童」の腕前を披露する一方、あちこちの音楽や音楽家を知り、自らの中に取り込んでいきました。
モーツァルトは、旅は人を豊かにすると考えていたようです。ですからモーツァルトは、旅をしないでザルツブルクに閉じこもっているような人を軽蔑していました。ザルツブルクの閉鎖性は、モーツァルトにこの街を捨てさせることになる、ひとつの原因となったようです。
もっとも、このような考え方は、当時として際立ってユニークだったわけではありませんでした。18世紀後半のヨーロッパは、とても人の交流が活発で、とりわけ音楽家たちは、あちこちの宮廷や貴族の館を渡り歩いていました。
モーツァルト自身、そのような世界に生き、旅また旅を続けていったわけです。モーツァルトの人生は旅そのものだったのかも知れません。
私は、このページで、モーツァルトのそのような旅の跡を、自分なりにたどりたいと思いました。いわば私にとってのバーチャル・モーツァルト・ツァーです。
もちろん、ザルツブルクやウィーンには何度も足を運んでおりますし、ほかの多くの街にも行ったことはあるのですが、まだ行ったことのないところもたくさんありますし、実際に訪れたところでも、どうしてもじゅうぶんな時間がとれず、行ってみたいスポットに行けたわけではありません。
幸いなことに、モーツァルトの足跡やヨーロッパの各都市にお詳しい方からいろいろなお話をお伺いでき、そのようなお話も参考にしながら、このページをつくっていきました。また、美しい、価値のある画像を公開しておられる方から、多くの素晴らしい画像をお借りすることができました。とくに出典を明示していない画像は、引用フリーと明示されているサイト、公的機関のサイトに掲載されてあるものを使わせていただきました。厚く御礼を申し上げます。
本当は実際にモーツァルトがたどった道筋をたどることが理想ですし、私にそのような機会が回ってくるのはまだ先のようですが、いつかは、そのような機会を持ちたいと願っています。
- 引用の御礼
- モーツァルトの旅をたどる上で、モーツァルト、父レオポルト、母マリア・アンナが旅先から書いた手紙、そしてザルツブルクから書かれた手紙がとても大切な手がかりになります。これらの手紙については、
海老沢敏・高橋英郎 編訳 『モーツァルト書簡全集』全5巻(白水社)
から引用させていただきました。
また、必要に応じ、ベーレンライター社の原文、
Mozart Briefe und Aufzeichnungen (Baerenreiter, 1962)
を参照させていただきました。
厚く御礼を申し上げます。
18世紀後半のヨーロッパを広く旅し、各地の音楽事情を書き残した英国の音楽学者に、チャールズ・バーニー(Charles Burney 1726 - 1814)がいます。バーニーは、イタリア、フランスを旅し、見聞録を著した後、1772年からドイツ、ネーデルランドなどを旅行し、1773年には、各都市の表情、教会やホールでのコンサートの模様などを書き記した下記の著書を出版しました。バーニーの著書に出てくる都市は、モーツァルトが歴訪した場所と相当程度重なっており、モーツァルトが作曲、演奏した当時の事情を知る上で貴重な情報を提供してくれます。
Burney , Chaeles . The Present State of Music in Germany, the Netherlands and United Provinces Volume1 , 2(1773).
また、バーニーは、音楽史の大著
Burney , General History of Music Volume 1 , 2 , 3 , 4
も著しています。これらの文献も適宜、引用させていただきます。
シンフォニーについては、
ニール・ザスロウ 『モーツァルトのシンフォニー コンテクスト・演奏実践・受容』
礒山雅 監修・訳 若松茂生訳 (東京書籍)
から引用させていただきます。
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