コンサート批評 (2004)

  Yuko HISAMOTO  Concert

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久元 祐子ピアノ・リサイタル 東京文化会館小ホール(2004.9.1)

当日、アンケートにたくさんのご批評をいただきました。ありがとうございます。
辛口のご批評を含め、掲載させていただきました。

<当日のアンケートから>

*昨日は満員のご盛会、真におめでとうございました。バッハからドビュッシーに至るまでの幅広く多彩で素晴らしい久元サウンドをたっぷり堪能させて頂きました。
第一部の時代の流れに沿った曲目で、クリスティアン・バッハが、殊に印象深く素晴らしかったです。なるほど将に中間に位置するんだなあと勝手に納得致しました。 ショパンのマズルカ、私が中学生の頃、ショパンを初めて聴いたのがマズルカと英雄ポロネーズだったせいか、マズルカが一番ショパンらしいような先入観を持ち続けており、嬉しい選曲でした。ポーランドの土の匂いを嗅いでいるような気分でした。
キュイの曲はこの年齢になって初めて聴きましたが、とても素敵ですね。
後でTさんと「ブラヴォー」掛けりゃ良かったのにね・・と話し合っていました。ロシアの匂いが余りしないような、ヨーロッパ的な曲想なんでしょうか。他の曲も聴いてみたい気持ちを触発されました。
「月の光」は取って置きのアンコールと言う感じの見事さ・・その後まだ2曲も大サービスで、本当にお疲れ様でした。
処で、プログラムですが、 あの表紙の雰囲気は絶品です。ちょっと他のリサイタルに無いセンスでさぞ好評だったに違いないと思っております。あれはザルツァッハ川でしょうか、ドナウ川でしょうか。
それから2〜3ページの黒に白抜きのページですが、私たち中高年にはちょっと読みづらい感じも致します。 勝手ながらご一考願えれば、とも思いました。

*T、Kの両君と一緒に「巡礼の年」を買わせて頂きました。前回の上野のリサイタルを思い出しながら楽しみに聴きたいと思っています。 CDのケースの洒落たデザインにびっくり・・でした。(O.Uさん)

*バッハが力強い演奏で、ピアノならでは(チェンバロではなく)のこと、低音がよく鳴って気持ちの良い演奏。モーツァルトは力を抜いた感じで、悲愴感をよく出していた。第2楽章はとても平安な穏やかな気持ちにさせるものでした。終楽章も気負わずに・・・いい!久しぶりにいいモーツァルトを聴きました。
ショパンは、久元さんにしてはやや情緒不足。キュイはすごい。面白い。そしてドビュッシーの多彩な音、知的でした。アンコールの「月の光」はきれいきれい。透明感がとても。昨夜見た月を思い出しながら聴きました。2曲目、低音と高音が交錯してすごくいい曲。何かしら、最後にショパン!(H.Iさん)

ショパンの肖像

*久しぶりで久元様のすばらしく円熟した演奏を拝聴することが出来ました。まずはお礼申し上げます。
J・S・バッハ、丁度フランス組曲のCDを求めようかなと思っている所でした。いま下手くその笛でフルートソナタBWV1033, 1034等の練習している所でしたので、とても良い勉強になりかつ参考になりました。とはいえ、当たり前のことではありますが、とても久元さんのような演奏の足元にも及ばない天と地の隔たりを感じました。帰りの電車の中でのU氏との話の中では、ベーゼンドルファーによる久元さんの演奏を今JSBが聞いたら、どのように感じただろうか、表現力の豊かさにさぞかし驚かれるのではないか、など話が弾みました。JCB、モーツアルトの香りのする演奏、いやモーツアルトがJSB、JCBの香りを引き継いだのですね、すてきでした。
Mozart、ダイナミックで気持ちの良い演奏でした。やはり久元さんならではのモーツァルトですね。
Copin、他のショパンをもっと聴きたくなりました。
Cui、私初めて拝聴しましたが、そのせいか、もちろん演奏が良かったからでしょうが、この演奏会の内で一番好き
な曲でした。
Debussy、プログラムを見ながら、この曲を一番最後に持ってきた意味を考えましたが、最後の「金色の魚」で分かったような気がしました。来年の日本フルート合奏団の演奏会(25人くらいのぐるーぷですが、そこではBass Flを吹いています)に向けて、カノン形式による6つの練習曲よりAdagioという小曲を練習しています。とても及ぶとは思えませんが、このような音が出せたら良いのだが、など考えました。
一言づつ素人の感想を述べました。わらって読み飛ばしてください。今回の、演奏会のご成功をお祝いすると共にますますのご発展を祈ります。(H.Kさん)

*上野の小ホールのコンサートから帰ったところです。 興奮冷めやらぬうちに、書いてます。過去いろいろ予定と重なり、久元さんのピアノに久しく接していなかったのですが、今回すっかり変わられたのでびっくりしてしまいました。一言で言うと、音がとても美しく、綺麗になりそして演奏そのものが円熟した、のです。音楽にはど素人の私の感想なので聞き流してください。1997年初めて久元さんのピアノに接してから、7年になります。芸術家が成長していく様を見ることができるのはすばらしいことです。
2曲目のクリスティアンバッハの曲、初めてだと思うのですが、すごく音が綺麗でした。終わって誰かが叫んでいましたが、聴衆の気持ちを代弁してくれたのだと思いました。3曲目のモーツアルト、有名な曲でしたが、ピアニッシモの美しかったこと。実はもう半世紀も前、大学生の頃、来日したギーゼキングを日比谷公会堂で聞きました。そのとき、鍵盤からにじみ出るようなピアニッシモに感動したことを今でも鮮明に思い出すことが出来るのですが、今日久元さんの右手の小指からでたモーツアルトのソナタのピアニッシモはギーゼキングのそれの再現でした。感動しましたそして今たまたま読んでいるウイーンフィル音と響きの秘密と言う本にモーツアルトの長調の曲を悲しく演奏すると言う一節があり今日のモーツアルトの第一楽章は短調なのに明るかったなあ、と思ったことでした。
キュイの曲初めて聴きました。プログラムにロシア5人組の中でもっとも知名度が低く、お父さんがフランス人とありましたが、音楽がフランス的かな、と思いました。これも名演でまた、聴衆から>声がかかったのも、さもありなん、と言うところでした。ドビッシー、ほんとに綺麗でした。アンコールで月の光をされたのはまさに right selection !! ドビュッシー、もう少し聞きたいなあと思ったところに出てきたのですから嬉しいこと。以上まことに僭越でした、ごめんなさい。N君が去年の小ホールも来たそうですが、去年に増して聴衆が増えたと言ってました。満席ですものね。久元さんの音楽なら一度聞いた人は必ずまた来ると思います。(H.Oさん)

*前半、後半、いずれもややレアな曲をはさみこんだ工夫されたプログラムだ。J.C.バッハの曲は悪くないが、モーツァルトを次に聴かされると、やはり色褪せてしまう。後半では、ショパンとキュイの類似性と相違点が端的に分かり、ドビュッシーは秀逸であった。ふくよかな音色、匂い立つような表現は、まさに嗅覚、視覚においても音楽と結びつけようとしたスクリャービンなど彼女にふさわしいだろう。リストとともに生で聴いてみたい。(T.Yさん)

*バッハ、モーツァルト、ドビュッシーなど、いずれも良かった。音色も中味も選曲も良かった。しかし、シューマン、リスト、ショパンのソナタなど、30分くらいかかる大曲もひとつくらい入れてほしいです。音色もきれいなのに、大曲がないのはもの足らないです。でも、全体的によくまとまっていたと思います。優しい曲もあり、激しい曲もあり・・・を望みます。(A.Tさん)

*何よりも音が泡立っていて、暖かいことに感銘を受けました(特にバッハのフランス組曲)。モーツァルトの明快なニュアンスもすばらしいものでした。キュイのめったに聴けない曲、ありがとうございました。ロシア五人組の時代にはこういう曲が流行っていたのだなと思いを馳せました。レパートリーの広さは素晴らしい宝です。知玄舎の「モーツァルト」、ロビーで購入しました。(N.Mさん)
*Program Notes デザイン的には素敵でも、うすぐらい会場では読みにくい。(黒地に白文字)。いつ聴いてもすばらしいの一語に尽きます。流麗で知的で楽しくて・・・久元さんの演奏会では、作曲者を心に描いて聞きます。完璧なテクニックにいつも心が溢れているように思います。大好きなピアニストです。アンコールありがとう。素敵でした。(R.Nさん)

モーツァルト

*fantastic concert!  祐子さんに弾いてもらえる作曲家の幸せ、ピアノの幸せ、それを聴かせてもらえる者の幸せ。厳しいレッスンにやせられたのでは、と心配していましたが、ますますつややかに美しく、しなやかな指先から生まれるバッハを、モーツァルトを満喫しました。ひと味違うショパンに続いて珍しいキュイもうれしく、アンコールもすばらしく・・・・(見事なフィナーレ!)
絵と音楽の違いは何ですか?ドビュッシーになったら絵が見えるような気がしました。Cさんは、ドビュッシーは嫌いだけれど祐子さんが弾くのはいい、と言っていました。
プログラムの表紙の写真もすてき!!こういう時は是非どこの川か入れておいてください。祐子kさんのコンサートでは居眠りする人は誰も居ません。新しいCDのお土産も nice! ジャケットもしゃれています。最高に輝いた祐子さんに乾杯!!(S.Tさん)

*とても良かった。やわらかいタッチと力強いタッチ、うっとりと聴きほれてしまいました。最後にドビュッシーの「月の光」を聴きたいなーと思っていたところ、思わずアッと声が出そうになりました。ありがとうございました。(M.Iさん)

*楽しかった。演奏者のしっとりした弾き方が美しい。”ブラボー”の声は、せっかくの美しい音楽をこわす。開演前に放送で注意していただきたいです。(Y.Oさん)

*とても素晴らしい演奏会でした。ソフトで流れるようなピアノタッチから、速くて激しいタッチの、鍵盤いっぱいに繰り広げられる演奏はまさに「超絶技巧」と言えるでしょう。そして、全曲暗譜、これも驚きました。抜群の記憶力ですね。本当に素晴らしいリサイタルでした。本日はありがとうございました。(K.Kさん)

*フランス組曲の第5番は、とても好きな曲なので、生演奏が聴けてとてもうれしいです。音がとてもきれいでした。珍しい作品(キュイ、クリスティアン・バッハ)が聴けてうれしいです。演奏に知性を感じました。けっして奇をてらったところがなく、作品に敬意を払っている感じでした。(Y.Hさん)

*「リスト」とは趣の異なる、ピアノ曲の歴史、レクチャー・プログラムは、私のような素人には、大変興味深いものでした。歯切れの良い、キュイの演奏は、新鮮で心地よいものでした。予測どおりの「月の光」ひとりほくそ笑みました。(H.Hさん)

*とても軽やかな明るい感じでした。バッハの曲が実に良かったと思います。(ただし、どっしりした演奏が、ベーゼンドルファーの特色をよく出していました。)モーツァルトの KV 310,もう少々、スローテンポの方が良かったのでは、?(H.Kさん)

セザール・キュイ*国民楽派が気に入っていて、聴く機会も多いのですが、キュイの曲は本日、初めて聴くことができました。本日の曲は、民族的というより、何となく洗練されているような印象でした。(Y.Oさん)

*昨日はおめでとうございました!すごい迫力で、気迫が後ろの方の席まで伝わってきました!!
バッハのソナタは初めて聴いたのですが指の速さに圧倒されました。ショパン3曲並びはシベリウスのヴァイオリン小品と似た並びで興味が湧きました。ドビッシーも完璧で個人的にはキュイがとても印象に残りました。(T.Iさん)

*昨夜のリサイタル、演奏が素晴らしく、感動しました。特に、 KV 310 ,あんなに緊張した演奏は初めてで、モ−ツアルトを肌で感じました。優雅なバッハから始まって、モ−ツアルトの激しさでガラッと局面が変わる場面がハイライトでした。懐かしいクリスチャンバッハと再会したモ−ツアルトは、もうかつてのモ−ツアルトではなく、すでに独自の境地を切り開いていた。という解説文も実によく実感出来ました。友人も多く来ていましたが、異口同音、<よかった> の反応でした。(M.Tさん)   

*私は50代ですが、娘時代から文化会館にコンサート聴きに来ています。このなじみの会場で、私の好きなモーツァルトほかの曲きけて、とても満足しています。素晴らしい演奏ありがとうございました。今後のご活躍祈っております。(S.Oさん)

*どの Concert でもそうですが、演奏者はどうして演奏だけで、話をしないのですか。 Audience と player がもっと Friendly になった方が、いろいろな点で素晴らしいと思うのですが。(M.Nさん)

*スバラしい演奏でした。力強く、そしてやさしく、美しい方でビックリ!是非又きかせていただきたい。(T.Mさん)

*ピアノ・リサイタルご成功まことにおめでとうございます。日々の猛レッスン、努力の結晶、この成果、深く感動しました。(H.Sさん)
クロード・ドビュッシー*フランス組曲が聴きたくて・・・でも、ドビュッシーがよかったです。アンコールの2曲目、本当に素敵でした。ありがとう。(H.Sさん)

*和音の美しい音色、タッチの美しさに魅せられた。特に前半の Mozart。(H.Sさん)

*華麗なテクニックと豊かな表現力で魅了されました。軽やかななかにときとして激しい情熱をたぎらせ、聴く者に深い感動を与えたと思います。素晴らしい演奏でした。(N.Wさん)

*ピアノの上でおどる10本の魔術師。10人(本)の芸術家達のかなでる音色。どんな表現をすればいいのだろうー!すばらしい、とても素晴らしかった!!!(Y.Gさん)

*譜面に忠実、こう弾いたら、ピアノからこう音が出て、音楽をつくることを久元さんは知っているから、次の小節を弾くのに、心がこもる。音楽を知り、ピアノを知る久元さん、これからも本当の音楽をつくってください。(M.Tさん)

*昨夜の演奏は、Mozartに張りがあったし、初めて聴かせていただくCuiも魅力的で、あらためてレパートリーの広いのに感心しました。素敵なアンコールもすべて聴いて、豊かな気分で成田へ向かいました。ありがとうございました。(S.Tさん)
 
*久元さんは、知的で、レクチャーコンサートでのお話もお上手で、好きです。そして、何より音が美しい。

*音がとてもきれい。とても素晴らしかったです。「金の魚」よかった。アンコールの曲も素敵でした。(Y.Tさん)

*指先が見えない席でちょっと残念。だけど、生はいーねー。音もよく響いていました。GOOD!(K.Mさん)

*どの曲も、とても素晴らしかったです。とてもきれいでした。今日は、素晴らしいピアノを聴かせていただいて、本当にありがとうございました。これかも、がんばってください。(R.Hさん)

*今月3月に熊本に転居しました。娘の出産のため上京しました。ちょうど久元さんのコンサートにめぐりあえて聴きにきました。臨月の娘も、しばらく生演奏は聴けないから・・・と感激していました。(H.Tさん)

*お目当てのJ.S.Bも、W.A.Mも、お人柄が滲み出た暖かみのあるプレイ。忘我の一刻でした。(E.Fさん)

*モーツァルト、ピアノ・ソナタが印象的。特に第3楽章が素晴らしい演奏でした。(T.Oさん)。

*昨晩は素晴らしいリサイタルに臨めまして私たち感激しました。安定した演奏技術とそれを上回る間のある感情的な表現力に魅了されました。また、機会がありましたら参加させていただきます。(H.Oさん)

*音が柔らかくてきれいでした。(N.Mさん)

*ずっと森の中にいるような気分がして、とても気持ちよく時を過ごせました。

*立体的な演奏で感動しました。(M.Iさん)

*やさしい弾き方、すっかり虜になりました。3曲もアンコールにこたえてありがとうございました。(T.Kさん)

*全曲初めての鑑賞でした。バッハのフランス組曲、やさしいかんじがしました。ありがとうございました。(K.Nさん)

*幻想的な情景が浮かんできました。気品のあるお姉様という感じの久元さんでした。(Y.Eさん)

*よく知られている曲をききたい。もっと深い感動が欲しい。きょうれつな個性がかんじられず、また聞きたいと思わなかった。(M.Kさん)

*体にピアノが入っている感じでした。(M.Uさん)

*「感想」普通でした。普通に良い。(T.Kさん)

*知ってる曲がいつくかあった。レクチャーが入るとまたよいかも。(F.Kさん)

*とても良かったです。ここち良い音楽をありがとうございます。(Y.Sさん)

*バッハ、とても素敵でした。キュイの音楽も聞けて、ラッキー!(T.Oさん)

*すばらしかった。(T.Fさん)

*音楽史を概観するような多彩なプログラムでした。堂々としたモーツァルト、生真面目なショパン・・・そんななかで、バッハとドビュッシーが作品に没入できる好演奏でした。ベーゼンドルファーの音色の美しさも格別でした。キュイは『12の小品』(でしたっけ?)くらいしかピアノ曲を知らず、新鮮でした。思い入れがおありなのでしょう、説得力のある演奏でした。やたら豪華なコーダにはちょっと笑える曲でしたが・・・・次回に、スクリャービンはいかがですか?

*ピアノの音がとても綺麗で素晴らしい演奏でした。次回も楽しみにしています。

*意欲的な program 、安定した演奏。

2003年