プ ラ ハ 2

1787.10.4 - 11.13

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モーツァルトの旅 1
モーツァルトの旅 2
モーツァルトの旅 3
モーツァルトの旅 4
ウィーン 4
ザルツブルク 11
リ ン ツ
ウィーン 5
地 図
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『旅の日のモーツァルト』

この2回目のプラハ旅行を題材にした小説が、エドアルト・メリケ『旅の日のモーツァルト』です。この小説の中で、モーツァルトとがコンスタンツェはボヘミアの平原や田舎の中を楽しげに旅していきます。そして森の中に歩み入り、茸の傘の華やかな深紅と、裏側の華奢な白っぽい襞を愛で、いろいろな樅の実をポケットにしまったりする場面が出てきます。
しかしこのような光景は、モーツァルト自身が書き残した言葉とはかなり距離があるように思います。モーツァルトがその膨大な手紙の中で、自然の情景を叙述していることはほとんどありませんし、ましてや自然の美しさや恵みについて語ったことはないからです。
『旅の日のモーツァルト』は、19世紀的な、美しい想像の世界なのでしょう。
それにしても、スメタナなどによって音楽化されたボヘミアの平原はほんとうに美しい世界ですね。

《ドン・ジョヴァンニ》の成功

10月4日にプラハに到着したモーツァルトは、《ドン・ジョヴァンニ》の完成を急ぎます。作曲は初演ぎりぎりまで続けられ、とくに序曲は初演の前日に一晩で書き上げられたというエピソードも残されています。
このとき、モーツァルト夫妻を歓待したのが、ボヘミアの音楽家、フランツ・クサヴァー・ドゥシェック夫妻でした。ドゥシェックは、ザルツブルク時代からの知り合いで、モーツァルトが《ドン・ジョヴァンニ》の完成を急いだのは、ドゥシェックの美しい別荘『ヴィラ・ベルトラムカ』(上の写真)でした。
ネット上の情報ではベルトラムカ莊は、2009年に閉館になっているようです。理由はわかりませんが、とても残念です。所有者の事情なのかもしれませんが、モーツァルトの足跡を偲ばせるこの貴重な建物がモーツァルトの記憶を留めながら受け継がれていくことを望みます。

オペラ《ドン・ジョヴァンニ》は、予定より半月ほど遅れて10 月29 日に初演され、大成功を収めました。カサノヴァも観客の中にいたと言われます。

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