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- 辛い行程
- 1778年10月14日、モーツァルトはフランスでの最後の滞在地となるストラスブールに着きました。
すぐに小さなコンサートを開いていますが、お金がないため、オーケストラを雇うこともできず、ソロ・リサイタルのようなコンサートだったようです。
これが成功を収め、続いて街の劇場でオーケストラを雇って大きなコンサートを開きますが、ここのオーケストラは、モーツァルトによれば、ひどく下手なくせにギャラは高かったといいます。モーツァルトは、コンチェルトを1曲多く弾き、「最後に長いこと即興演奏をしました」と記しています。
ストラスブールは、ライン川沿いに発達した都市ですが、ライン川は当時もしばしば氾濫したようです。モーツァルトは、10月27日か28日にストラスブールを発つ予定でしたが、突然、大洪水が起こり、多くの損害を与えたので、延期せざるを得ませんでした。
現在、ストラスブールは、ドイツと国境を接するフランスの東部、アルザス地方の中心です。人口は、40万人あまり。ドイツ語に近いアルザス語を話す人も多いようです。
- 大聖堂
- ストラスブールには、パリのノートルダム大聖堂に匹敵する大聖堂が聳えています(右の写真)。パリのノートルダムよりも、圧倒するような迫力で迫ってきます。
モーツァルトが訪れた当時、大聖堂の楽長は、マンハイム楽派のひとり、フランツ・クサーヴァー・リヒター (Franz Xaver Richter,,
1709 ?- 1789) でした。
ルーテル派の教会もあり、モーツァルトは、ノイエ・キルヘと聖トーマス教会で、アンドレアス・ジルバーマンが制作したオルガンを弾いています。
私は、この街のオペラ劇場で、構造主義者レヴィ・ストロースの南方への旅をテーマにした現代もののオペラを観たことがありますが、初日とあって超満員。聴衆の大変な熱狂が印象的だったことが記憶に残っています。
(このページの写真は、「フランスで暮らす」 からお借りしています。)
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