次世代へ”歌い継ぐ・語り継ぐ”市民のつどい

神戸文化ホールで開催されました市民のつどいに参加させていただきました。
前半は、臼井真先生と西灘小学校の5、6年生による合唱。「しあわせ運べるように」の作詞・作曲をされた臼井先生のことは、以前から存じ上げておりましたが、今回、初めて先生の指揮と優しいお声をお聞きすることができました。震災で子供さんを失ったお母様の詩による曲や神戸市花”あじさい”にちなんだ曲など、子供たちの澄んだ歌声で神戸への思いが綴られていきます。
おそらく何度も何度も歌ってきているであろう「しあわせ運べるように」を、子供たちが真摯な眼差しで臼井先生を見つめ、心を込め歌う姿には、涙があふれます。3曲すべてを自分の「詩」として諳んじ、歌う子供たちひとりひとりが、ある意味、プロよりも本当の意味でプロの歌い手さんでした。
続いて、神戸ゆかりの各界の方からのビデオメッセージが紹介されました。最も多かったのが「感謝」という言葉。震災のときに、世界中から寄せられた励ましや援助などへの恩を忘れずにいたい、というものでした。
休憩をはさんで、後半は、山田洋次監督、俳優で神戸大使でもあられる竹下景子さんを迎えての対談。主人は市長としてインタビュアーをつとめさせていただき、映画について、街について、復興について、コミュニティーについて、さまざまなお考えをお二人からお聞きすることができました。
「男はつらいよ」の最終作のラストシーンは、神戸です。震災直後の神戸で映画のロケ、しかも寅さんのように「笑い」のある映画の製作に入ることに躊躇された監督さんは、当初お断りになられたそうです。けれど「そういう明るい映画を是非神戸で!」という強い要望に応え、決断されたとのこと。「ロケの間、長田の皆さんが本当に親切にしてくださった」と監督がエピソードをご紹介されました。最後に、監督との温かい交流が続く長田のみなさんがステージに登場され、笑顔の中、つどいがお開きとなりました。
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山田監督作品は、2015年12月12日全国ロードショーの松竹120周年「母と暮らせば」、そして「家族はつらいよ」が来年封切り予定です。
「家族」、「社会」、「人」を見つめる監督の映画への情熱は、エネルギッシュに続きます。

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