20人ほどの少人数ゼミ。
今年初めての開設科目を担当させていただくことになりました。
ひとりひとりのお話を聞きましたが、「ピアノ教育」について、すでにはっきりとしたビジョンや問題点をしっかりと認識している学生さんが多く、驚きました。
これから1年間、意見を交換しあったり、それぞれの思いをまとめたりする中から方向性が見えてくることを願います。
・飲食店でバイトをしていて、新人教育の立場になり、
新人さんに対し、「こんなことも知らないのか」という感じになったけれど
ピアノに置き換えると同じようなことになっていないか、と、はたと思った。
・友達に勉強を教えているうちに、「教える」ということがとても好きになり、
「教育」に興味をもったのが、教育を専門にしたきっかけ。
・わかっている人から見るとなぜわからないかがわからない。
知らない人は、知っている人とは違う風景を見ている。
ハッとする意見も多く、これからのゼミが楽しみになりました。
以前、友人がピアニストでもある高名な教授のレッスンを受け、
「弾いたんさい。まるでだめねぇ。また来週ね。」
でレッスンが終わってしまった。という笑い話を聞いたことがありますが、その弾けてしまうピアニストにとっては、きっとなぜ弾けないかがわからなかったのかもしれません。
「習う」より「盗め」といわれる芸事の世界。
人から習ったことは弱い、自分でつかみとったものは強いのはたしかです。
でも世界に活躍するプロであっても、コーチの指導のもとに自分を磨くスポーツ選手のような一面もあるピアノの世界。
おりしも、スポーツの世界での「英才教育の光と影」を扱った番組が放映されましたが、小さな頃から学ぶ人の多いピアノ教育の世界。
いろいろな側面から考えてみたいと思います。
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