新学期

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桜の季節となり新学期が始まりました。
国立音大では、オリエンテーション、履修説明に加え、恒例の「基礎ゼミ」が行われ、講演や教授陣によるコンサート、施設体験など充実したプログラムで新入生を迎えました。
この時期、期待に胸ふくらませる新入生の笑顔に出会うと自分の18歳の頃を思い出します。大学からこんなふうに親切にしてもらった記憶はなく、手探りで自分のカリキュラムを作り、いきなり授業が始まり、その途端に「水疱瘡」にかかってレッスンをお休み・・・という情けないスタートを切った苦い思い出があります。
心も身体も頭も感性も柔らかくしなやかな年頃、是非、大学を100パーセント活用して4年間を過ごしてほしいと願っています。
基礎ゼミは、グループに分かれて行われるため、教員にとっても普段お話しする機会のない先生と交流したり、他の分野の教授のお話を直にお聞きすることができる楽しい期間でもあります。作曲の足本憲治先生がコンピュータで作る音楽のお話をしてくださいましたが、現在なんと一つの音に対して128通りの音を入力できるところまで進んでいるそうです。コンピュータに打ち勝つ人間の演奏を目指せ!というピアノ科学生へのエールでもありました。
さらには、フランス語、哲学などを教えていらっしゃる松岡新一郎先生が、学会で話題になる「シンギュラリティー2045年問題」のことを紹介くださいました。コンピュータや科学の進歩、発展によって技術的特異点が訪れ、人間を超える人工知能に支配される時期が必ずややってくるというものです。そういう中で自分はどういう時間を過ごすのか、演奏に何を求めるのか、、、、あらためて考える時間となりました。
今年もレッスンのほか、「演奏論」「室内楽作品研究」「作曲家と作品分析」「ピアノ教育論」「演奏解釈」「ピアノ・リテラチュア」を担当します。学生の皆さん、授業でお会いましましょう。どうぞよろしく!

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