夏の家

「海の家」というと潮風に吹かれちょっと痛んだ畳、水着を洗ったり、着替えたり・・・というごちゃごちゃしたイメージがありますが、
「夏の家」というと夏の夕暮れ、のんびりと過ごす優雅なイメージに変わります。

「ナツノヤ」と読む、このお店。
国立駅、紀伊国屋のすぐ横を入ったところにあります。
美しい庭で覆われているため知る人ぞ知る、という奥まったお屋敷に入っていく感じです。

純和風の歴史的建物。
風情があり、「和」の美しさと落ち着きがある和食のお店です。

ハワイが本店ですが、国立に長く住まわれているSさんがオーナー。
ハワイと国立を往復される毎日。
私もホノルルに半年近く滞在したことがありますが、貧乏学生としての毎日だったため現地で高級和食店に入ることは一度もありませんでしたので、「夏の家」国立店のお話をお聞きしてから、ずっと行きたかったお店です。

夏には、CM撮影のため森光子さんとスタッフ数十人もいらした、というそのお部屋で、和会席を頂戴しました。
秋放映なのに、蝉が鳴いているのはまずい、ということで蝉の声対策には撮影班も苦労されたそうです。

秋に入った今夜は、蝉ではなく、鈴虫の声が庭から聞こえます。
虫の声を風流と感じるのは、日本人独自の感性だそうですが、
虫の声を聞き、庭の緑を愛でながらのお食事。
日本にいると見逃してしまいがちな日本の美しさを再認識。

外国にいると日本にいるときよりも、改めて日本の良さを感じ、日本の食文化を見直し、日本にいるとき以上に「日本」に敏感になるのかもしれません。
オーナーのそういうセンスがお店の随所に生きていると思いました。

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