「オペラのからくり・オペラの楽しみ」

4月19日午後、池辺晋一郎先生の音楽講演会に伺わせていただきました。
会場はカワイ表参道コンサートサロンパウゼ。
長年、オペラに携わられ、演劇音楽を470本も書いてこられた池辺先生。
「音楽と演劇は兄弟」
とおっしゃる先生は、お若い頃から演劇がお好きだったそうです。
大学も演劇部に入り、役をもらおうと思ったのに、たった一言の端役。
仏頂面した部長(!)から(今日も先生のダジャレは絶好調?!)
「あなた、音楽を担当して頂戴」
というのが、演劇音楽のスタートだったとか。

古代ギリシャの芝居は、コロスと呼ばれる「市民」集団が歌ったそうで、これがコーラスの始まり。
このコロスがいる舞台の平土間が「オーケストゥーラ」と言い、これが「オーケストラ」の語源。
音楽の用語が演劇から生まれている、というこの事実。しかも歌舞伎、能、サルスエラ、そしてジングシュピール・・・。
音楽と演劇が一体になったジャンルが世界中に存在します。

「なぜそのようにたくさんのジャンルがあるかというと、楽しいから!その楽しさの秘密をお伝えしちゃいましょう。」
映画監督や舞台監督には気位の高い独占欲の強い方が多い、ほかの人の作品の仕事をするのをひどく嫌う、あるとき同時に2人の監督さんと仕事をしたことがあり、両方にばれないでほっとした矢先、新聞に同時に広告が出てばれてしまい、お二人の監督さんからまったく正反対の皮肉を言われてしまった、という話に会場爆笑。

映画全盛期のころは、1年に2本3本撮ってしまう監督がたくさんいた、今は数年に1本、というくらいに少なくなる、そうするとその映画に命をかけてしまうけれどいっぱい撮る場合は、いちいち命かけてられない、というわけで遊びみたいな撮り方のものも入ってくる、遊び心で撮るようなこともあったそう。
病の床、医者のアップ、スプーンが飛ぶシーン、
「監督、これはなんですか?」
「医者もサジを投げる、ということさ」
という返答だったとか。
めんどうだから前に使った音楽をそのまま別の映画の音楽に使い回しをするような人もいて、お客さんは気づかないだろうと思ったら、なんと映画館で2本立てで上映され、さすがに続けて見たお客さんにはばれてしまった、なんて仰天のあきれ話も。

ある先輩音楽家の話で、武士がさやに手をかけて刀を抜こうとするが抜かない、じっと空ばかり見ているシーンが続く、これに音楽をつけろ、と言われた池辺先生の先輩音楽家がつけた音楽は、ホルン独奏で静かに
♪ソラミソラミソラミ♪
と延々と奏でられた音楽だったそうです。ソラミはもちろん(空見)。
えーホント?!というような裏話。
落語のようなオチの連続で、さすがオペラ仕込みの池辺先生!の講演会でした。

お風邪気味でいらした先生の楽屋に国立音大ボイスのど飴をプレゼント。
国立音大声楽科教授陣とカンロ飴が共同開発、試作を重ねたハーブのど飴です。
「声を大切にする方のためののど飴」
ということでなかなかの評判の品です。
花粉症の方もお試しくださいませ。

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