イサドラ・ダンカンの夢を踊る

地方から東京に帰ってきたのが夜6時半。
四谷区民会館に急ぎ、メアリー佐野さんのソロ・ダンスシリーズを途中からでしたが、拝見することができました。

イサドラ・ダンカンは20世紀初頭、身体本来の自然美の表現を試み、舞踏を魂の表現へと高めようとした舞踏家です。ダンカンは、首に巻いていたスカーフが車にまきこまれるという悲劇的な事故で亡くなり、壮絶な最期だったそうです。彼女の逞しさ、スピリチュアルでピュアな表現力に魅せられ、ダンカンダンスを33年間続けてこられたメアリーさん。

たくさんの仲間たちの出演により、ヴァラエティーに富んだステージとなっていました。
ひでおさんの尺八の表現力には、新鮮な驚きを感じました。テクニックや枠を超え、体の奥底からのうめきや心の叫びのようでした。西洋の楽器で表現している私ですが、日本の楽器の音を聞いたときに感じる何とも言えない共感は、日本人としてのDNAのなぜるわざかもしれません。先日の雅楽のときにも感じたのですが、尺八や津軽三味線を聴くとき、何かが体の中に走るような感覚を覚えます。

お弟子さんが、ダンカンの振付によるスクリャービンのエチュードを踊られ、その動きを見ているとダンカンが曲の中に感じた躍動や衝撃が動きとなって体現されていて興味深く感じました。

トゥシューズを履かず、素のままで踊る ― この姿は、まるで遠い昔から人間が行ってきた営みであり、古い神話の世界からの続きではないか。。。と思えてくる瞬間でした。
薔薇の衣装、白く風のような衣装なども素敵で、このステージにかけるメアリーさんの夢が感じられました。
エネルギッシュなメアリーさんの活動はこれからも続き、たくさんの賛同者によって受け継がれていくことでしょう。

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