神戸市民交響楽団第87回定期演奏会

1969年発足。創立57年の神戸市民交響楽団。第87回の定期演奏会でグリークのピアノ協奏曲を協演させていただきました。

自然への憧れ、北欧の抒情が溢れる人気作品。激流から打って変わって優しく淡い光が溢れる旋律、深く沈潜していくような静けさと怒涛のような波・・・。アルペッジョや独特の味わいの旋律、微妙に移ろう和声が、自然の風景に変わる魔法のような曲です。掛け合いや受け継ぎなど、藤田謹也さんのタクトのもと団の皆さんがピタッと照準を合わせてくださり、感謝でした。

開演前、元団員の岸本竜太郎さんの指揮で行われたロビーコンサート。クラリネット奏者だった岸本さんは3年前の定期演奏会で指揮デビューをされたそうですが、その直前にALSと診断され、指揮棒をテーピングして臨まれた壮絶な舞台となったそうです。その後、前向きに生きる岸本さんを音楽の仲間が勇気づけ、応援するロビーコンサートからは、音楽の力と絆の深さが伝わってきました。

演奏会後半のチャイコフスキー交響曲第5番は客席で鑑賞。ロシアの大地から沸き起こるエネルギーと心の奥底からの想いが音になり、波動となって会場に広がりました。
アンコールは坂本龍一:KIZUNA。折しも2011年3月11日に発生した東日本大震災から15年。阪神淡路大震災の時、学生だったと仰る演奏会実行委員長の小野恵美さんは「あの時は後ろ向きな感情しかなかったけれど、月日が経つにつれて『あの日』から繋がる『今』を感じるようになった」と仰います。

終演後、楽屋の扉をノックする音。トロンボーンの西村佳恵さんでした。「私、一昨日結婚届を出して、晴れて神戸市民になりました!」と最高の笑顔。CDのサインには「お幸せに!」の一言を書いた次第です。「それに今日は私、誕生日なんです!」と。「人生の春」の幸せをお裾分けしていただいた気分でした。

そして神戸文化ホールの満員のお客様からの、膨大なアンケート用紙の束。長い歴史の中で培われてきたオーケストラとお客様との絆を感じるメッセージの数々。「アンケート読み上げタイム」でも大いに盛り上がった打ち上げ会場でした。「昔は打ち上げでダンスパーティまであったんですよ。」と30年来のメンバーの方のお話。団員さん同士の結婚や、そのお子さんもまた団員になったり・・・。入団したら仲の良い同僚も後ろで演奏していたなど、楽しいエピソードもたくさんお聞きしました。

軽妙な司会で会場との距離を一気に縮めるヴァイオリンの横山和人さん、コンピュータに強く記録・HPなど担当しておられるフルート後藤真理子さんなど・・・それぞれの得意分野を生かして、演奏と共に運営までこなしてしまう皆さんの多才ぶりに感服!でした。

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