続々々パウゼ「ショパン」

「続々々・一歩上を目指すピアノ演奏法」の第1回。
ショパンのノクターン、ワルツなどについて、演奏を交えお話しさせていただきました。
朝一番でノクターンというのも何ですが、朝の表参道から当時のパリの夜に想いを馳せ、蝋燭の炎やオイルランプの光を想像しながら弾かせていただきました。

プレイエルという、くぐもった色香のある楽器を愛したショパンの作品には、明らかにその繊細な美学が反映されています。
実際に私たちがそれを表現するときには、声楽におけるベルカント唱法をピアノで行うことが要求されるように思います。体と耳が知覚したミリ単位の感覚は、レガートでカンタービレの箇所を弾く時、体から発する声のように、楽器に声を伝えたい。

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「小犬のワルツ」のレジェロが、ドカドカ、バタバタとした「大型犬のワルツ」にならないためには、むしろしっかりした回転軸と、しなやかな手首や腕の動きの助けが必要です。ほんのちょっとしたコツで驚くほど演奏が楽になります。
実際にピアノを子供さんに教えておられる先生方は、小さな手の子供たちが楽しく弾けるようになるために、様々なことを感じ、日夜研究しておられます。そんな熱心な先生方からエネルギーをいただきながら、
今回も5回のシリーズで「演奏とは何か?」について、そしてそれぞれの作曲家の声に肉迫できるよう、アプローチしてまいりたいと思っています。

「朝の儀式でございます」とモーニングコーヒーを下さる温かいスタッフのみなさんのお心遣いもありがたい限りです。
次回11月29日は、モーツァルトの「トルコ行進曲付き」のKV331を取り上げます。
ピアノ弾きの内幕を公開?!しますので、愛好家の方もぜひ、お足をお運びくださいませ。

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