いずみホール 「モーツァルトを旅する3年間」スタート!

いずみホール
この秋から「モーツァルト~未来へ飛翔する精神~」と銘打たれたモーツァルトの演奏会が3年にわたっていずみホールで行われます。それに先駆けたレクチャーコンサートに出演させていただきました。

礒山雅先生の楽しいレクチャーのもと、素晴らしい音響と雰囲気のいずみホールで、チェンバロ、ピアノフォルテ、モダンピアノの3台を使って演奏させていただく、という光栄な一日でした。

1年目の今年は、モーツァルトのザルツブルク時代。「学習する神童」というテーマでのプログラミングです。

5歳で作曲したK1に始まり、8歳のヴォルフガングちゃんが旅先で綴った「ロンドンの楽譜帳」、17歳の若々しい「サリエリのテーマによる変奏曲」までを舞台左のチェンバロで演奏。

ここから舞台右横のベーゼンドルファーのインペリアルに移り、19歳の最初のソナタグループからK284の「デュルニッツ・ソナタ」とヨハン・クリスティアン・バッハの作品5-2。
音域も鍵盤の深さも音量もハンマーの重さも発音原理も・・・天地ほど違う楽器を続けて弾くこととなりました。

デュルニッツ・ソナタの3楽章は変奏曲形式で作曲されています。このソナタと「サリエリ変奏曲」を同じコンサートで舞台にかけたのは初めてでしたが、17歳から19歳という多感な時期の2年間にいかに大きな進歩があったか、そしてピアノフォルテという楽器を知りその可能性を追求したモーツァルト像をあらためて感じました。

休憩をはさみ、後半は舞台真ん中のナネッテ・シュトライヒャー。
以前、ジュピターの動画収録で弾かせていただいたあと、どなたも使っておられないとのことでしたので、本番に先立つ3日間、調整と楽器の温めを行いました。調整・調律の山本宣夫さんも前日から時間をかけて調整してくださり、本番に備えました。1820年代のオリジナルピアノフォルテの持つこまやかな音色の変化、そして微細な息遣いを伝えるデリケートなタッチが、あらためて名器の力と魅力を発揮してくれました。

今回の演奏会、応募してくださった方が定員を上回ってしまい、抽選の結果、私の友人、知人も抽選にもれてしまったそうです。申し訳ありませんでした。ぜひとも次回、いらしてくださいませ。

これから3年間のモーツァルト・シリーズの成功を祈りながら、いずみホールをあとにしました。
お世話になりましたスタッフの皆様、おでかけくださったたくさんのお客様に御礼申し上げます。

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