ヤマハ銀座コンサートサロンでベーゼンドルファー・アーティストコンサートに出演させていただきました。
梅雨の一日、おでかけくださいました皆様、ありがとうございました。
18世紀のウィーンのサロンで演奏されたモーツァルト、19世紀のパリのサロンで弾かれたショパン。
今日は、二人の作曲家の作品をとりあげ、サロンでのベーゼンドルファーの響きを楽しんでいただきました。
湿度が上がると、ピアノは音程が上がりがち。その一方、フェルトで出来たハンマーは、湿度によって少しじめっと重い感じになります。梅雨時は、ピアノの調整も難しい時期にあたります。
けれどモーツァルトがヨーゼフ2世の前で「鍵盤が3つも上がらなかった」状態のピアノで演奏したことに比べたら、完璧な調律と調整で臨むことができる現代のピアノ弾きは、何と幸せなことでしょう。
これまで、「ベーゼンドルファーは、ショパンを弾くには、温かすぎる楽器」というふうに感じてきたのですが、ベーゼンドルファーの持つ、柔らかさ、気品、弱音の美しさという特徴は、ショパン時代のプレイエルの要素と共通する面もあり、音楽と音色が寄り添うように感じました。
エキストラ・キーの低音を持つベーゼンドルファー・インペリアルは、ブラームスの深々とした豊かな響きを奏でることが出来る一方、繊細な消え入るようなショパンのピアニッシモもすくい上げてくれる楽器。
ピアノのキャパシティーの大きさをあらためて感じました。
金曜夜の銀座の街は、梅雨時もどこか華やいだ雰囲気が漂います。
銀座スペインクラブでプチ打ち上げ。
ウィーン、パリのサロンの響きに思いを馳せた後は、銀座を歩き、カタルーニャの味を楽しんだ一日でした。
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