すざかバッハの会2015

長野県須坂市メセナホールで行われました すざかバッハの会主催「リヒャルト・ワーグナー~魅惑の世界への誘い~」(12回シリーズ)の第1回「ワーグナー入門」に出演させていただきました。礒山雅先生のお話により、壮大なワーグナーの世界が身近になり、これから11回で紹介される大作への期待がふくらむスタートとなりました。
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~礒山雅先生とすざかバッハの会の大峡会長さんと一緒に~
「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲、「ローエングリーン」のエルザの夢、「パルシファル」の場面転換の音楽、「神々の黄昏」の「夜明けとジークフリートのラインへの旅」などをピアノで演奏させていただき、ワーグナーのハーモニーの魅力と官能性、その強烈な個性をあらためて感じました。
対談コーナーでは、礒山先生のワーグナーへの傾倒と深い関わりについてお聴きすることができ、また私はリガのワーグナーホールでのリサイタルの経験などについてお話しさせていただきました。ワーグナーは、1837年からラトヴィアの首都リガに3年間居を構え、指揮者として活躍しています。当時ワーグナーが音楽監督をしていたオペラ劇場が、現在ワーグナーホールとして残っています。ワーグナーが歩いた廊下を通り、ワーグナーの銅像にキスしてから舞台に出た日のことを久しぶりに思い出しました。
ドイツ騎士団が建国したラトヴィアで「騎士」のイメージを形成させ、北欧伝説にインスピレーションを得て、また合唱大国ラトヴィアにおける合唱の力を体験したことは、ワーグナーに大きな収穫をもたらしたのではないでしょうか。「トリスタンとイゾルデ」の愛の杯を飲む場面では「バルサム!」とトリスタンが叫びますが、バルサムは、ラトヴィアを代表するお酒。薬草からできており、健康のために良いとされるお酒です。美女の多い国として知られるラトヴィアで、不思議な魔力を持つ薬酒と自己犠牲を捧げる理想の女性像のイメージが作られた可能性も?!
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ワーグナーのピアノバージョンを弾いておりますと指があと10本欲しい・・・と思うこともしばしば。千曲市で音楽教室をなさっておられる国立音大声楽科ご出身の宮坂先生に、本番前練習場をお借りし、大変お世話になりました。練習の合間に信濃川沿いに散策したり、雪景色を楽しんだり、姨捨山伝説で知られる姨捨駅まで足を延ばしたり、、、信州の冬を満喫した私の「ワーグナー週間」でした。
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コメント

  1. yuko より:

    青春2きっぷさま
    コメントありがとうございます。
    姥捨の景観、三大車窓に入るのですか。夜景も100選と・・・。
    たまたま気が向いてちょっと寄ってみたのですが、
    次回は、ゆっくり過ごしたいです。
    バイロイトのチラシが今年も来ました。
    以前よりは、チケットも取りやすくなっているとか・・・。
    来年あたり、行きたいと思っています。

  2. 青春2きっぷ より:

    駅からの景観は「JR三大車窓」のひとつ、姨捨SAの夜景は「日本の夜景100選」との紹介がありますので、中秋の名月の頃は最高かもしれません。
    「たのくら」ワーグナーは2012年6月からの長丁場、物語を何を言いたいのか理解しようとするだけで毎回疲れました。ワグネリアンにはなりたくありません(笑)。
    「血の温度が上がる・・・」とは、もの凄い表現ですね。思わず笑ってしまいました。ピアノと格闘している久元先生のお姿お顔が目に浮かんできます。

  3. yuko より:

    青春23きっぷ様
    コメントありがとうございます。
    あの日、姨捨山伝説を駅の案内板で読み、泣けました。青春23きっぷ様は、2回もいらしておられるのですね。月の名所と書いてありましたので、次回は、夜に訪れたいと思っています。
    「たのくら」さんでのワーグナーは、最終回だったのですか。すざかは、これから始まり・・・。ワーグナーの音楽のように、止まらずにずうっと続いていく感じですね。
    ワーグナーハーモニーを弾くには、指・・・足りない・・・と思いつつ弾きました。でも血の温度が上がる音楽なので、足りない分を気持ちでカバー?!
    ワーグナーは、今後修行して、またどこかで弾かせていただきたいと思っています。

  4. 青春23きっぷ より:

    冬の姨捨駅からの信濃平の眺望は如何でしたでしょうか。お写真を見る限りとても寒そう。只の?白銀の世界と想像しているのですが。
    三年前に二度も姨捨駅へ、サイトウキネン演奏会の前に真夏の真昼に立ち寄り周辺も散策、と直江津小旅行の帰り晩夏の夕刻に訪れました。その眺望の美しさにテンションが高くなっていた自分を思い出しています。スイッチバックの電車を眺めたりもして携帯写真を撮りまくりました。
    ワーグナーハーモニーを奏でる久元先生のピアノ演奏のお話しを、ワーグナー講義の最終回を迎えた今月の「たのくら」でお聞きしました。すざかバッハの会の方が羨ましいです(笑)