愛しのウィーン

大学のオーディション審査、コース試験などの審査を終え、羽田空港へ直行。ミュンヘン経由で
ウィーンへ向け出発しました。今年のヨーロッパは、まだ氷点下の寒さです。

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今朝は教会の朝6時の鐘で起床。午前中は、ドブリンガーで楽譜探し。

ドブリンガー

そのあとシュテファン寺院近くのフィグルミュラーでシュニッツェル。ウィーン滞在のスタートです。

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スタジオで練習し、最近話題のHAUS DER MUSIK(音楽の家)へ。ウィーン国立歌劇場の歴史が展示され、オットー・ニコライの部屋ではウィーン・フィルハーモニー創立の辞が飾られています。

3階には胎内音感シミュレーションやバーチャル指揮体験コーナーなどがあり、子供たちが夢中で遊んでいました。偉大な巨匠への興味を子供のうちから・・・という工夫の館という印象を受けました。

夜はムジークフェラインに。
アレン アルティノグルの指揮、Wiener Symphoniker(ウィーン交響楽団)の演奏で、ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ、ラロ:スペイン交響曲、ブラームス:交響曲第2番というプログラム。

美しく古い木が長い歴史の中で、最高の音響になり、ホール自体が楽器とも言える状態。狭くて窮屈で椅子がガタピシいうのは困りものですが、自分が楽器の中にいるかのような感覚になります。しかも天井画、装飾、黄金の輝きは、夢の空間です。

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最初のラヴェルは、ハープと弦楽器の間に綻びも見られたのですが、後半のブラームスは、軽く明るく透明で美しい響き。重厚で深いドイツのオーケストラとは少し趣が異なるのは、ピッチのせいもあるのかもしれません。443というウィーン・ピッチは、常に上へ上へと飛翔するように客席に届いてきました。

ラロではそれがピタッとはまり、素晴らしい名演で会場が熱狂。ヴァイオリンのRenaud Capuson氏は、確かな技術と歌心、知と情のバランス、文句のつけようがない圧巻の演奏でした。カプソン氏は、1979年フランス、シャンベリー生まれ
の40歳。若々しく気品のある舞台姿も素敵でした。

官能的な音が耳に残る中、ウィーンの夜の街をしばらく歩きます。息が白くなるほどの寒さですが、美しい月が出ていました。

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