第349回モーツァルティアン・フェライン例会

原宿のカーサ・モーツァルトで開催されましたモーツァルティアン・フェライン6月例会に出演させていただきました。

会にはモーツァルトに関する最新情報を伝えてくださるジャーナリスト、音源を収集しておられる愛好家の方、楽譜を含め貴重な資料をお持ちの方、ヨーロッパ在住が長く国際的な視野で会を牽引される会長など、多くのモーツァルティアンがいらっしゃいます。「久元さんが細~いころからずっと聴いてきたのよ。」とおっしゃってくださるKさんとは、本当に長いおつきあいです。

今日の会場であるカーサ・モーツァルトのオーナー中村先生ご夫妻は、大のモーツァルト愛好家で、モーツァルトの行った先のほとんどを旅してこられたご夫妻です。いつもフェラインの例会は、このカーサ・モーツァルトで行われてきていたのですが、ご主人様が数年前モーツァルトの元に旅立たれて、しばらく使われていませんでした。このたび、ご子息様が引き継がれ、今日は、フェラインにとって久しぶりに古巣に帰っての例会となりました。

フェライン

ウィーン・フィル、ボストンシンフォニーのメンバーなど錚々たる音楽家が訪れ演奏している会場には、音楽の気があふれ、モーツァルトの輪がすでに出来上がっている感じです。その輪にのせていただいて、今日は、「モーツァルトと楽譜」という題で、自筆譜、浄書譜、初版譜、オリジナル譜、現代の原典版、実用版など、モーツァルトと楽譜と奏者の深い関係?!についてお話しさせていただき、実際にそれらを演奏し、聴き比べていただきました。

モーツァルトについてなら、どんなにマニュアックな内容もOKの会。突然のアンコールで、思わずショパンを弾いてしまったのですが、最後はやはり、モーツァルト!
「アヴェ ヴェルム コルプス」で静かに閉じさせていただきました。

最近、天国に旅立たれました元 山の上ホテル会長の森治夫さんへの追悼の思いから、自然に指を伝って流れたモーツァルトです。清らかな旋律とともに、森さんとの対談コンサート、山の上ホテルの「モーツァルトの部屋」、ワイン鼎談会などの想い出が蘇りました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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