第18回「田舎のモーツァルト」音楽祭

安曇野市立穂高東中学校講堂で行われました第18回「田舎のモーツァルト」音楽祭に、テノールの福井敬先生と一緒に出演させていただきました。詩人の尾崎喜八が当時の穂高東中学校を訪れた際に詠んだ「田舎のモーツァルト」という詩を記念して開催され、地元の皆さんにも愛されてきた音楽祭です。
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尾崎氏が、「自分の好きな詩はこの1遍である。よく晴れた秋の日のこと、若い女の先生がモーツァルトの『トルコ行進曲』を弾いているのを中学生が身じろぎもせずに聴いている光景が強く私の心を動かした」と語っておられたそうです。
というわけで、今日のプログラムは『トルコ行進曲』で始めさせていただきました。穂高東中学校の生徒さんたちが、”身じろぎもせず”聴いてくださる中で演奏開始。続いて「きらきら星変奏曲」や「小犬のワルツ」などを楽しんでいただきました。後ろの看板は、子供たちの手作りによるもの。綺麗な切り絵でできていました。
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「オー・ソーレ・ミオ」を歌いながら福井先生が客席の中を登場。その美声に度肝を抜いた中学生たちから、ドーッと歓声が沸きました。
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小林秀雄の「落葉松」、中田喜直の「悲しくなったときは」武満徹の「死んだ男の残したものは」「小さな空」、そしてオペラのアリア「女心の歌」、「誰も寝てはならぬ」などの数々を情感豊かに、輝かしい声で披露してくださり、会場からブラボー!の大拍手。
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別れ際にハイタッチや握手した中学生の中から、将来歌を志す生徒さんが現れるかもしれません。終演後は、穂高東中学校の「田舎のモーツァルト」碑の前で、先生方と記念撮影をさせていただきました。
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秋の夕暮れ、しばし安曇野散策。『早春賦』の歌碑の前で。
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あづみ野コンサートホール裏の清流や山葵田を見てほっと一息。
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福井先生は、先週ズービン・メータ指揮のウィーン・フィルと第九を歌われ、今週は”アジア三大テノール”としてサントリーホールでの演奏会を終えられたばかり。昨夜は藝大でレッスンをされたあと遅くに安曇野入りで、明日は朝から国立音大の門下生発表会。そんな超過密スケジュールの中、本番でベストの声を出すプロとしての調整は見事!の一言です。初めての安曇野に、たくさんのファンが増え「またいらしてください!」の大合唱の中、帰路につかれました。

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