西宮高校音楽科の皆さんへ②

いよいよ、今年も残りわずかとなりました。クリスマスは、いかがお過ごしでしたか。
私は、昨日大学での受験準備講習会が終わり、ようやく今日から自分の年越し準備期間に入ります。
慌ただしく12月が過ぎ、①を書いたあと、なかなか②を書く時間がなくてごめんなさい。
今日は、
「ピアノを弾いている時に歌っていると入りこんでしまって制御がとれなくなる時があるのですが、どうすればよいでしょうか」という質問です。
制御がとれなくなるほど音楽に熱中できる、というのは、素晴らしいことではないでしょうか。心が冷めていて音楽にのめり込めない、感動できないことに比べてどんなに素敵なことでしょう。
「芸術では、熱中ということがなければ、本当のものは何も成就されない」とシューマンも言っています。
ただ、ピアノ演奏の場合、熱中する自分とともに、客観的に冷静にそれを見ている自分も、時には必要かもしれませんね。たとえば、テンポについて。ある部分にアゴーギクをかける(テンポを速める)場合、意識してかけることができなければなりません。弾いているうちにだんだん速くなってしまった、とかコントロールできなくて気付いたら速くなっていた、というのとは根本的に異なります。
録音をしてみて第3者として自分の演奏を聴いてみるのもいいかもしれません。自分を見つめることによって、欠点もいいところも見えてくることでしょう。他人に指摘される前に自身で発見することにより、より確実に自分を磨くことができるでしょう。テクニカルな難所になると制御がとれなくなる傾向があるとか、フォルテになると興奮してテンポが速くなってしまうとか、美しいメロディーに酔ってしまってどんどん遅くなるとか、人によっていろいろ癖があるかもしれません。それが個性の一部ということもあるかもしれませんが、独りよがりの演奏や音楽の個性とは別の方向に行ってしまった演奏は説得力を持ちません。
自分の中に拍とリズムを刻む指揮者のようなもう一人の自分を育て、自分の音をよく聴くことができる明確な意識と理性を持ちたいものです。(これは、自分にも言い聞かせています)
国立音大のキャンパス写真を3枚ほど。オープンキャンパス、ピアノ・フェスティバルなどの機会にいらしてみてくださいね。
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秋の紅葉シーズン、今年も見事な色を見せてくれました。
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昨日の夕日。一番好きな時間帯です。
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私のレッスン室は4階。窓から見える黄金色の銀杏が自慢です。

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