すざかバッハの会 礒山雅先生追悼演奏会

安曇野から須坂へ。今日は、須坂市シルキーホールで、すざかバッハの会(大峡喜久代会長)主催の「礒山雅先生追悼演奏会」に出演させていただきました。

塩嶋達美さんが、フラウト・トラヴェルソを担当くださり、塩嶋さんの楽友の宮下静香さんがチェンバロを貸してくださいましたおかげで、「珈琲カンタータ」をバッハ時代の響きでお聴きいただくことができました。

バッハ珈琲

礒山先生とご一緒する機会の多かった3人の作曲家。バッハ、モーツァルト、ワーグナー。
この全く異なる個性の3人のことを礒山先生は「バッハはリズムの天才。モーツァルトは旋律の天才。ワーグナーはハーモニーの天才」と仰り、演奏会では自ら感動の涙を流してくださることもしばしばでした。

今日は、この3人の作曲家の曲でプログラムを構成。
前半のバッハに続いて後半は、モーツァルトのピアノ・ソナタKV310、「フィガロの結婚」から「もう飛ぶまいぞ、この蝶々、「夕べの想い」「魔笛」から「愛を感じる男ならば」。
続いてワーグナーの「タンホイザー」から「万能の若き乙女よ」「夕星の歌」。

最後は、バッハの「ヨハネ受難曲」から39番の合唱、40番のコラール。
礒山先生が渾身の力を振り絞って書かれた博士論文が「ヨハネ受難曲」について。
礒山先生は、須坂でのご講演「バッハの《ヨハネ受難曲》~その独創性と変貌の歴史を探る~」
の中で、最終コラールの問題点として以下のことを述べられたそうです。

・最期の審判と復活への希望を歌い上げているのは、ヨハネ福音書の記述と根本的に異なり、きわめて調和的である
・壮大な復活参加は、生金曜日の礼拝の制限を超えたものと受け取られた可能性がある
・バッハは、福音を真に伝えるのは人間ではなく音楽だ、と考えていたのただろう。彼の境界音楽は礼拝の前座ではなく、その主役だった

千曲川ほとりで幼少期を過ごされ、松本深志高校ご卒業の礒山先生は、長野の自然を愛し、たびたび須坂にも足を運ばれておられました。その礒山先生への感謝を込めて、合唱団の皆様とともに「ヨハネ受難曲」の伴奏を担当し、追悼の祈りを捧げました。

須坂追悼演奏会2018

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