モーツァルト@安曇野

8月が過ぎ、今日から9月に入りました。

恒例の安曇野でのリサイタル。木目のベーゼンドルファーに、半年ぶりの再会です。

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コンサートホールの裏手はワサビ田。表玄関の目の前には、稲穂が黄金色になびいています。
来るたびに、自然を満喫できる安曇野。「おかえり~」と迎えてくださる館長さん夫妻とも長いお付き合いになりました。

もともとは音響の第一人者永田穂先生のご紹介で伺ったのが最初です。
早起きの永田先生が一足早くホールに到着されておられ、私は調律が終了するころの時間に合わせて到着する予定だったのですが・・・。小淵沢で強風のため電車がストップ!

車で迎えに来ていただき、お客様とほぼ同時に入館。そのときのメインプログラムが「テンペスト(嵐)」だったことから、「嵐を呼ぶ女」などとニックネームがついてしまいましたが、今日は、まずまずのお天気。ほっとしました。

モーツァルトの青春時代の作品群を弾き終え、アンコールにはドビュッシーやショパンの小品を。

「私が今練習中のドビュッシーを弾いてくれて嬉しかった!」「僕が今度発表会で弾くショパン!同じ曲とは思えんな(笑)」と多くのお客様が喜んでくださったのですが、ある一人の男性が「アンコールもモーツァルトを弾いてほしかった!あなたのモーツァルトが聴きたくてここに来たんです。僕はショパンもドビュッシーも気持ち悪くて大嫌い!」と厳しい表情で仰いました。

厳しいお言葉に、一瞬ひるみましたが、なかなかお目にかかれない「厳格なモーツァルト・ファン」に安曇野でお会いすることができ、逆に感激しました。

懇親会は、館長の奥様お手製のお料理がずらりとテーブルに並びます。
前述の永田先生がご逝去された話題になり、奥様が涙。。。「本当にお世話になったの!」!と昔を懐かしんでいろいろお話しくださいました。ホールと隣接した喫茶店のマダムでもある奥様。開館して18年間、一日も休んだことがない喫茶店です。

安曇野の自然に囲まれた100人の空間。温かいベーゼンドルファーの響きが似合うホールで、温かい皆さんと過ごした初秋の一日でした。

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