国立音楽大学創立100周年記念事業の一環として「くにおんフォルテピアノ」が製作され、完成を記念したお披露目コンサートが4月18日(金)大学講堂小ホールにおいて開催されました。
新一号館建設に伴い、伐採されたシンボルツリーの欅を楽器の一部に使用し、太田垣至氏によって製作されたのは、アントン・ヴァルター(1795年頃)製をモデルにした複製楽器です。
オープニングは、モーツァルト:《幻想曲 ニ短調 KV397》
今回、モデレーター(弱音装置)も活用し、エコーの効果も使いながら
新しい解釈で序奏を弾きました。

生後3週間の小さな楽器。お客様は300人に抑えて。。。という当初の予定だったのですが、予想外の反響のため、申し込み枠を拡大。会場は満席となりました。

ところが、不思議に音が会場にクリアに響くことに、関係者一同驚きでした。最初の1音から水を打ったように静まり返る客席。
大音量に慣れた現代ですが、逆に幽けき弱音の力をあらためて感じた次第です。
木は伐採された時に木としての命を終えますが、楽器として蘇り、100年、200年と新しい命を生きていきます。そんな思いを込めてベートーヴェン《葬送ソナタ》演奏し、再生への願いを音に込めました。
後半は「アンサンブルのくにたち」のステージ。
永峰高志先生演奏のストラディヴァリウス「ヨアヒム」1723年製との共演でモーツァルト:《クラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタKV379》

ソプラノの長島剛子先生によるモーツァルトの歌曲《すみれ》《ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時》《夕べの想い》《春への憧れ》

くにおん90周年の際には、楽器学資料館の所蔵楽器5台を使用するコンサートなど、これまでたびたび楽器学資料館の鍵盤楽器を演奏させていただいてきました。
今回ステージに置かれた1台のフォルテピアノを見ながら、
初代館長、故 郡司すみ先生から中溝一恵先生、横井雅子先生、現館長の三浦雅展先生、そして学芸員のみなさんへと引き継がれてこられた「くにおん」への愛と楽器への情熱が、100周年記念で、一つの音に体現されているように感じました。そしてこのプロジェクトを始められた音響学の故 森太郎先生も天国でお聞きくださったと信じています。
~フォルテピアノでの演奏体験を現代のピアノ演奏に活かす~
恵まれた「くにおん」の教育環境で、今後、大いに活用されていくことを願っています。

終演後、梅本実学長先生、三浦雅展先生、永峰高志先生、長島剛子先生、太田垣至氏と一緒に。。。
お世話になりました皆様、ご来場の皆様に御礼申し上げます。
撮影:久保田早紀さん


コメント