ホールの響き

音響設計の永田穂先生が最初に手がけられたホールが、「アミューたちかわ」。
「Op1」が身近なところにあるなんて、うれしい限りです。

大ホールでは、この3月に弾かせていただきましたが、小ホールは、今回の10月1日のコンサートが初経験。
小ホールでは、室内楽やソロの息遣いが聞こえる至近距離にお客様の席があります。
ピアノのタッチとホールの音響をつかむため、夜、会場練習をさせていただきました。
10センチ分の板1枚ピアノを動かすと音がどうなるのか・・・という微妙な世界。音響というのは、不思議なもので、ちょっとしたことで弾き易くなったり、雑音が気にならなくなったり、あるいは、響かなくなったり。
こればかりは、経験と耳とホールの音響コンディションで決まります。

先月の九州ツアーでも2日続けて本番がありましたが、弾く方の音量はさして変わらないのにホールのコンディションによって響きはまったく違っていました。
初日のホールでは、ステージでよく響くのに、客席には響きません。
翌日のホールでは弾いていて「大丈夫?」というくらい聞こえてこないのに、客席で聞くとまろやかに美しく響き、多少の粗もカバーしてくれるような音響。

楽器、音響、お客様の雰囲気、これら3つの要素のどれが欠けてもいい演奏会にはなりません。
毎回、その場で与えられた条件の中で、いつも最高の状態の音を出すことが音楽家には求められます。

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