「ケーゲルシュタット・トリオ」

「ケーゲルシュタット」は、「九柱戯」と訳されることもありますが、今でいうボーリングのような遊びです。
モーツァルトは、この遊びに興じながら、ピアノ、クラリネット、ヴィオラのための三重奏曲 券ホ長調 KV498を作曲しました。

ずっと「特異」な組み合わせと思ってきたのが、今日の合わせで
こんなに「自然」でもっとも相性の良い音色はないのではないか!と思うに至りました。
溶け合うようなパッセージ、どちらがどちらか区別がつかなくなる瞬間さえあったりして、驚きです。
ヴィブラートのないクラリネットの響きに合わせるために、坂口弦太郎さんは、なるべくヴィブラートを抑えて音色のバランスをとりながら進めていきます。
自由闊達な武田忠善先生のクラリネット、きめこまやかな坂口さんのヴィオラ、私も含め、世代も性格も楽器も個性も違う3人が揃って、ひとつの音楽を創っていきます。
その時間の中で、スリリングな快感と気の交流がありました。

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