日本モーツァルト協会 第604回 演奏会

12月5日に行われた日本モーツァルト協会の演奏会に伺いました。
パスカル・ロジェ氏&東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団によるモーツァルト協奏曲の夕べです。

ピアノ協奏曲 第25番、第26番、そしてロンド イ長調KV386をロジェ氏が弾き振り!
舞台に颯爽と現れる67歳のロジェ氏、エネルギーあふれる演奏でした。ドビュッシーやラヴェル、フォーレなどのフランスもののイメージが強いロジェ氏ですが、明快で硬質な音、小気味良いテンポ、初めて聴くロジェ氏の軽やかなモーツァルトでした。

時に、かなり飛ばし気味。端折ってしまった音に一瞬たじろぎながらも空中分解せず、絶対につけていく手腕は、東京シティ・フィルのコンサートマスターに拍手でした。

第25番は、第26番に比べて演奏機会ははるかに少ないのですが、素晴らしい名曲であることをあらためて実感。そしてロンド イ長調 KV386は、協奏曲に比べて、さらに演奏される機会が少ない曲ですが、ニ長調の「戴冠式」の前に演奏する曲としては、調性の面でもナイスカップリング。このロンドは、以前、故小松一彦先生と共演させていただいたことがあります。しばらく弾いていない曲ですが、また譜面を見てみたくなりました。

新幹線「のぞみ」で走りながら道端の花を見るのは、動体視力を持っていないと不可能です。ロジェ氏の頭の回転、スピードに振り落とされないように、すべての音やニュアンスやハーモニーを聞き取るのは、聴取する側にも集中力が要求されるように思いました。

満員の東京文化会館小ホール。モーツァルトの命日に、日本のモーツァルトファン大集合!という風情の演奏会でした。

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