バッハ好みのロ短調

大阪いずみホールとバッハ・アルヒーフ・ライプツィヒ共同企画のバッハ・オルガン作品全曲演奏会 vol.7の今日は、「バッハ好みのロ短調」と題し、韓国ソウルのオルガニスト、オ・チャギョンさんによるオルガン・コンサートでした。
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情熱的に、そしてアグレッシブに曲に立ち向かうチャギョンさんの音色へのこだわりにより、普段聴いたことがないような音色が展開されました。ストップに工夫をされておられるようで、オルガンの音色の可能性を楽しむことができました。
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今日のプログラムは、♯調をたどりながら、曲が展開していきました。ホ長調、ホ短調、ロ短調、ニ長調・・・という具合で、最後にライプツィヒで作曲されたプレリュードとフーガ ロ短調で完結。ダイナミックに響きの大伽藍が広がり、ロ短調に向き合ったバッハの祈りの声が聞こえてくるよう。日常をすべて忘れ、音の世界に身を任せ宇宙の一部になったような感覚を覚えました。
休憩後、ドイツへの旅を終え関空から直行された礒山雅先生がチャギョンさんにインタビュー。
「ロ短調の持つ様々なキャラクターを聴いてほしい。あるときは、悲劇的でドラマティックであり、勝利を宣言するようなパッサージュもある。ロ短調のハーモニーを使っていてもリズムやテンポによって、キャラクターが次々に変化していくのです。」と今日のプログラムを解説。
またご自身のスタンスについても「韓国は、日本のオルガン事情に比べずっと遅れている。しかし、アジア人女性としてバッハに向き合うことの重要性を感じている。」と述べられ、果敢な挑戦を続け、韓国オルガン界のリーダーとして牽引していく強い意志を感じました。
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いずみホールを出ると外は夕暮れ。9月のモーツァルト・レクチャーコンサートのときには、オルガンも2曲弾かせていただくことになっています。名手が数々の名演を重ねておられる いずみホールのオルガン!
神のご加護を祈りながら、帰途につきました。

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