楽器と弾き手との関係

青森からのお客様2人、明の星高校の音楽科の先生と調律師さんをお迎えしました。
ランチを楽しんだあと新緑の国立音大のキャンパスにご案内し、そのあと場所を変え、さまざまなな楽器で音色を楽しみました。

モーツァルト時代のヴァルター、ショパン時代のプレイエル、リスト時代のエラール。現代ピアノに移ってスタインウェイ、ベーゼンドルファー。原点に返ってみよう、ということでダルシマーとクラヴィコード。

普段は、コンサートで弾く楽器に集中して向かうので、こうしていろいろな楽器をあれこれ弾き比べるのは、お客様がいらしたときになります。

モーツァルトは、楽器に対して高い順応性を持っていた人だと言われますが、未知の鍵盤に触れてすぐ楽器と一体になれる、ということは、ピアノを弾く人間にとって大切な課題です。
というのは、自分の楽器を持ち運ぶ事ができるヴァイオリニストさんたちと違って、そこに置いてある楽器を弾くことがほとんどだからです。

運動神経、器用さ、音に対する感性、楽器の知識、経験などさまざまな要素が求められます。
でも子供がなんにも考えないでふっと触るといい音がしたり、逆に少しばかり経験がある人が、頭と理屈が邪魔をして?!いい音が出せなかったり・・・・
なかなか一筋縄ではいきません。

クラヴィコード制作家の山野辺暁彦さんは、若い人を育てることを大切にしていらっしゃって、クラヴィコードを触ったことのない将来有望な若者にクラヴィコードを貸与したり、演奏機会を与えたりしていらっしゃいます。

若い世代の演奏者のみなさんには、さまざまな楽器に触れ、タッチを体で覚え、それぞれの時代の音色を耳で覚え、自分の演奏を豊かにしていってほしいと願っています。

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