スタインウェイと3年

スタインウェイCを購入したのは、2006年。
3年ほどが経ちました。人間で言うとおしゃべりを始めて一番可愛い年頃と言えましょう。

子供の頃からヤマハ、フォイリッヒ、ベーゼンドルファー、と毎日の練習ピアノとして使ってきましたが、やはり大ホールでの本番はスタインウェイを弾く機会が多いため、スタインウェイでの本番の前は、スタインウェイで練習するようにしています。

楽器を持ち歩く管楽器、弦楽器奏者の方と違い、ピアノ弾きは、ホールのピアノを弾く宿命。
「楽器持ち込み」という機会も年に数回はありますが、
「はじめまして。今日はよろしくね」
と初対面のピアノに挨拶してコンサートになだれこむことがほとんどです。ときには離れがたくなるほどの名器にめぐりあう機会もあり、楽器との出会いは、人間の力を超えた運命のようなものを感じることがあります。

メーカーによって鍵盤サイズ、響かせ方、音色、タッチ、すべてが違いますから、ピアノ弾きは、その場でパッと対応するフレキシブルな順応性と運動神経が必要になってきます。
いい調律師さんによって整えられた安定した楽器は、奏者に安心感を与えてくれ、音楽への集中を高めてくれます。

確かな技術、そしてイギリス紳士のような柔らかな物腰と誠実なお人柄の外山さんの調律のおかげで、綺麗に整ったピアノは、嬉しそうにいい音を出してくれました。

091004

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