1853年製ベーゼンドルファー・ピアノ(名取ピアノ社蔵)との久しぶりの再会となりました今回の演奏会。この数日、菰野ピアノ歴史館・技術陣の皆様がほぼ徹夜で格闘してくださいました。
埼玉から搬入されたのが9月16日。名取さんによるピアノ技術研修、昨日のオープニングセレモニーを経て、今日の記念コンサートの日を迎えました。172歳のピアノに無理は禁物、ということでピッチは3度低いまま。
ウィンナーアクションの柔らかな響きを活かした選曲をお楽しみいただきました。モーツァルトの幻想曲KV397で始め、ソナタKV545とKV331。
後半は、ベーゼンドルファーの特徴、創設から今日までの歩みなどもお話しさせていただきながら、ウィーンにちなんだ小品を。


今回、1853年に作曲されたルートヴィヒ・ベーゼンドルファーの《曙の女神アウロラのワルツ》を日本初演。
ベーゼンドルファー社創業者である父のイグナーツの急逝により、作曲家への道を諦め、突如、工房の先頭に立つことになったルートヴィヒ。
ベーゼンドルファーの発展に力を尽くしたルートヴィヒのワルツは、ウィーン音楽への愛と、工房に出入りしていた多くの作曲家・演奏家からのインスピレーションに満ちています。
1853年生まれの曲を1853年製のピアノで弾き、ウィーンにタイムスリップ!!
最後は今年生誕200年のヨハン・シュトラウスのワルツ《酒・女・歌》。ヨハン・シュトラウスモデルのベーゼンドルファーで、ヨハンシュトラウスを演奏し、フィナーレとしました。
歌うようなウィンナートーンや至福のピアニッシモを皆様と共有でき、終演後は名古屋モーツァルト協会の皆様と懇談させていただき、光栄なひとときでした。
断弦もせず、無事終演、頑張ってくれた172歳のピアノと共に、技術の皆様と一緒に記念撮影!

「三度低いピアノ」体験!互いの健闘を称えて(笑)昨日演奏された鈴木久美子さんとツーショット。

嬉しい再会、新たな出会いに感謝です。

終演後、菰野ピアノ歴史館の岩田館長様ご夫妻がご案内くださった「 こもの花苑NS」。菰野出身のフラワーアーティスト佐々木直喜さん制作の花や木に囲まれ、ハーブティーをいただくひと時。佐々木さんのお花は、家庭画報の表紙でお馴染みの方もおられるかもしれません。


昨日のイベントでお目にかかりました菰野町の諸岡高幸町長様の「菰野はとにかく空気が素晴らしい」のお言葉。自然に囲まれ、温泉に恵まれた菰野町の緑はどれも生き生きと、のびのびと呼吸しているように見えました。
翌朝は、美しい朝日を拝み、山間の老舗宿、寿亭からの絶景と温泉に癒され、庭園に祀られた音楽・芸術・学問の神様、弁財天さんをお参りしてから新幹線に飛び乗り新神戸へ。菰野の旅路を終え、帰途につきました。

お世話になりました岩田館長様ご夫妻はじめ菰野ピアノ歴史館の皆様、技術の皆様、ご来場の皆様、ありがとうございました!


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