銀座の山野楽器で「ベーゼンドルファー・コンサート」に出演させていただきました。
ベーゼンドルファーには、普通の型のほかに、いくつかのスペシャルモデルがあり、私は、普段ヨハン・シュトラウス・モデルを弾いていますが、ほかにもシューベルト・モデル、ヴィエナ・モデル、ルイ16世モデルなどいくつかのモデルがあります。
リストがベーゼンドルファーを弾いている肖像画がウィーンのベーゼンドルファーザールに飾られていましたが、今日の会場にもその肖像画がありました。
リストが当時の楽器を弾き、強靭なタッチで弦を切りまくっていた時期、このベーゼンドルファーのみがリストの演奏に耐えうる頑丈さを持っていて、たいそう気に入った、ということだそうです。
そのリストの肖像画の中のベーゼンドルファーを復刻した版ということでした。
コンサート会場とは違い、雑音も聞こえてくるのですが、かえってそういう中でのお客様の集中力の強さとベーゼンドルファーの響きに助けていただき、没後200年のハイドンからリストまでさまざま弾かせていただきました。
コンサート終了後、銀座から上野に向かい、東京文化会館小ホールの花岡千春先生のリサイタルを拝聴しました。
”ポリニャックのサロンで”というタイトルでのコンサート。
ソロ、ソプラノ、ヴァイオリンとのデュオと盛りだくさんのプログラム。
小泉恵子さんのソプラノでのサティ「ソクラテス」。
どうしても聞きたかった曲で、サティのイメージがガラリと変わるような名曲でした。
以前、リパッティの伝記に出てきたとき、ポリニャック夫人のサロンのことを知りましたが、レベルの高い、そして慧眼の持ち主によるサロン文化が花咲いた当時に思いを馳せながら楽しませていただきました。
コメント