CD録音終了

昨日K279、今日K281を収録し、今回のCD録音が終わりました。
コジマ録音の小島さん、調律の名取さん、長丁場、お世話になり、ありがとうございました!

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小島さんのアシスタントとして記録をとってくださったコータローさんが、かつて結婚式場で音響を担当された経験があるそうで、
「ご本人様が気に入っておられましたテイクは・・・」
と以前の口癖がポッと出てしまい新婦?!の気分になったり、
「さあ。優雅な曲です。地を出さないで次のテイクお願いします」
の台詞に爆笑したり。。。とまるまる2日の缶詰状態の中にもかかわらず、和気藹々とレコーディングが進みました。
カリカリすると音楽も神経質になってしまうので、いい精神状況で弾かせてくださったスタッフの皆様に感謝しています。

ピアノフォルテは、体力よりも神経を使う楽器といえましょう。
使うエネルギー消費量は、現代のピアノの半分以下かもしれません。
モーツァルトがピアノ制作者シュタインの娘が弾くピアノフォルテ演奏を聞き
「あの子は、指でなく体で弾いている」
と悪評していますが、体をぶいぶい動かして重さを使う必要のない楽器です。

そのかわり、一瞬の気の緩みが歪な音を生み、ちょっとの動きが無様なコブにつながったりするので、現代ピアノとはまた異質の神経のこまやかさが要求されます。

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びくびくしたような面白くない演奏はもっともモーツァルトの望まないところ。
モーツァルトの持っている大胆さ、遊び心、冒険心が出なくては音楽にならない。
けれど「よし、これで行こう!」と思った瞬間、音が出なくなったり、調整タイムに入ったり、となかなか気難しいのが当時のメカニックです。

どんなCDに出来上がるのか、楽しみでもあり、怖くもあり・・・。
秋のリリースまであと3ヶ月ちょっとです。

今回のピアノフォルテ録音の経験を通じて、これまでより楽器との距離が縮まったと感じた3日間でした。

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