震災で延期のコンサート

地震で中止になった3月のコンサートがきょう行われることになり、諏訪市駅前市民会館の会場に向かいます。
思い起こせば、11日はリハーサルの最中に地震が来て、そのまま会場は、閉鎖。
延期となったコンサートが、東日本大震災チャリティーコンサートとして実現しました。

「ステージで聴くベーゼンドルファー」の3回目。
ステージの空間をお客様と共有する、というのは、コンサート会場とサロン会場のちょうど中間のような雰囲気になります。
特定の場所へ音を飛ばす、というのではなく、蓋をとって空気全体に響かすような設定にしました。
毎回いらして下さる方、お忙しい中、応援に来てくださった諏訪響のメンバーの方など、打ち解けた雰囲気の中で弾かせていただけるのは、とても幸せなことです。
ベートーヴェン、ショパンに続き、今回は、モーツァルトです。
モーツァルトも、ウィーンのサロンでそういう気持の交流を感じながら弾いていたに違いありません。

きょうは、モーツァルトと、彼に影響を与えたクリスティアン・バッハのソナタを、お話を交えながら聴いていただきました。
同じト長調の2曲、ニ長調の2曲を続けて弾き、ふたりの相違点と共通点を感じていただきました。
使っている調、音型、テンポ、拍子、形式は共通しているのに、バッハ・ジュニアと天才モーツァルトはどこか違います。その違うところが、まぎれもなくモーツァルトの個性であり、19歳の若書きのころから天才の萌芽が見えてきます。

今日の入場料、CDなどの売り上げは、すべて「桃・柿育英会」に寄付されました。
「桃・柿育英会」は、震災で親を亡くした子供たちを支援するため、安藤忠雄さんらが創設された会です。
大変な状況の中、あきらめずに勉強を続けていってくれる子供が一人でも増えることを願わずにはいられません。

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