PTNA全国決勝大会審査員

PTNA全国決勝大会の審査。
昨日は浜離宮朝日ホール、今日は王子ホールで、たくさんの名演奏を聞かせていただきました。
地区予選、地区本選を勝ち抜いてきた強豪ぞろい。難曲がそろい踏みです。

この日のためにどれくらい練習するのか、ピアノ弾きの私には容易に想像がつきますから、その努力と栄誉を称えてすべての方に賞を差し上げたい気持ちでいっぱいになってしまいます。
しかし、そうなると「賞」の意味がなくなってしまうわけで、心を鬼にして決められたルールに基づいて点数をつけていきます。
一流のホール、一流のピアノで演奏する権利を勝ち取ったピアニストたち。
次々に「10分以内の自由曲」という枠で、自分をアピールされていきます。
自由とあるからには、100人いたら100人100様、バロックから現代まで幅広い曲の2日間・・・と想像していたのですが、あにはからんや、同じ曲を演奏する人が何人もおられました。

おまけにバロック、古典を弾いた人は、ゼロ。
バッハもモーツァルトもベートーヴェンも音楽史の教科書に出てくるような作曲家は、まったく不人気です。
ほとんどが近現代の難曲で、大音量、多量の音符、激しい音楽が続きました。シマノフスキー、ラフマニノフ、スクリャービン、リスト、カプースチンなどなど。

きらりと光る素質、堂々とした舞台度胸、驚くべき集中力、並外れたリズム感・・・・
それぞれに、皆異なる長所があり、点数をつけることの難しさ、順位を決めることの困難さを感じた2日間でした。

コメント