お盆の新宿

新宿の我が家のまわりは、お正月とお盆の2シーズン、人通りがほとんどなくなり、静かな町に変身します。
普段にぎやかなだけに、そのギャップで、急に心細く、寂しくなってしまうような静けさです。

そんなお盆真っ最中、練習を終え、夜スタジオから自宅に帰る道すがら、聞こえてくるのは、なんとマリンバの響き!
これまで、たまに練習している音がかすかに聞こえることがあったのですが、防音窓を閉め切って練習されておられるのか、ほんの僅かに聞こえるくらいでした。
ところが、今日に限り、
「お盆で人もいない!」
ということなのか、窓全開で演奏されている模様。

月夜の晩、マリンバの音だけが夜のしじまに響き渡ります。
しかもかなり熱心な練習で、今夜は、アルペジオ連続です。
そのアルペジオも”減7”の和音。
不気味で悪魔的な響きがするハーモニーなのです。

そのアルペジオが繰り返し繰り返し響くと、普段明るいその通りは、さながらサスペンス劇場と化していきました。
焼き鳥屋さんの火が消えた提灯、馴染みの八百屋さんの前に出た小さな箱、すべてが危険な匂いに思えてきます。
「足早に通り過ぎる女一人」という通行人役の私。
犯人とすれ違わないことを祈りつつ?!家路に急ぎました。

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