五嶋みどりと若き演奏家たち

《インターナショナル・コミュニティー・エンゲージメント・プログラム(ICEP)2010ラオス》の活動とPR、そしてカルテットの演奏が国立音大講堂小ホールで行われました。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第5番イ長調が最初に演奏されました。
台湾出身の若手女性ヴァイオリニスト、ディエンシン・シンディー・ウーさんが第1ヴァイオリン、五嶋みどりさんが第2ヴァイオリンを担当。ヘレナ・ベイリーさんのヴィオラ、ピーター・マイヤーズのチェロ。
オーディションによって選ばれた若手3人です。
ソリスティックな色合いの強いウーさん、バランス感覚が良く落ち着いたヴィオラのベイリーさん、09年にモンゴルのときにも参加しているチェロのマイヤーズさん ― 息のあったレベルの高いアンサンブルでした。
驚いたのは、当然、五嶋さんが第1ヴァイオリンだと思いきや、サポート役の第2ヴァイオリンに回り、ウーさんがトップを弾いたこと。
五嶋さんの第2ヴァイオリンは、ひとつひとつすべての音に神経が行き届き、ウーさんにぴたりと寄り添います。それぞれの音の役目と色をはっきりと認識し、空気を内側から創っていく感じです。細心の気の配りようは半端じゃありません。すごく頭の良い女性だと思いました。

スライドを交えながら、ラオスでの活動報告。子供たちが楽器を持つことの意義。音楽に触れることの大切さ。
指揮の三浦先生と今年入ったジャズ専攻の学生の通訳で若い参加者にインタビュー。日本語で会が進行しているときの3人の手持無沙汰な様子が気の毒でしたが、1年生通訳に、そこまで要求するのは無理だったのかもしれません。
風邪をひかれているいるようで、小柄な体から咳が出たりしているのが心配でしたが、社会貢献という役目を担いながら、世界を飛び回る五嶋さんの姿に、学生たちも私も大きな元気をもらいました。

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