「マネとモダン・パリ」

三菱1号館美術館のオープニングにご招待いただいていたのですが、ちょうど紀尾井ホールでの読売交響楽団との演奏会の本番に重なってしまい、お伺いできませんでした。
期間は7月25日まで、ということで、昨日、カワイでの講座のあとようやく時間がとれたので、鑑賞に出かけました。

中庭のあるヨーロッパ的な雰囲気。雨のあとの木々の緑も綺麗です。
美術館の中は、白壁と木が落ち着いた面持ちで、あまり高くない天井やこじんまりとした部屋の造りが素敵です。
美術館は、建物が出来ても1年ほどは乾燥させ、美術品を受け入れても大丈夫なだけシーズニングが行われる、というお話をお聞きしていましたが、待ちに待ったオープニングです。
話題の美術館だけあって、ウィークデイの昼間なのにたくさんの人々であふれていました。

スペイン趣味から生まれた「死せる闘牛士」「ジプシーたち」
家族を描いた親密な「温室のマネ夫人」、パリの生活のひとこま「桟敷席」など印象的なマネの作品の数々。
それらの絵の素描や版画、そして、当時のパリの様子を描いた写真や交流のあった小説家の初版本などの展示もあり、創造の過程を垣間見ることができました。

1870年に何歳だったかでフランス芸術家のその後の精神が決まる、
と、フランス音楽に造詣の深い友利先生が研究室でおっしゃっていましたが、普仏戦争で被害を受けたパリを目の当たりにしたときの精神的変化が、その後の芸術に深い影響を与えることと思われます。
表情のリアルさ、挑戦的な眼差し、衝撃的なシーン、など「近代」のパイオニアとなったマネの才覚をあらためて感じました。

夜は、サッカー観戦。
足の長さでも伸長の高さでも個人技の優れた選手の多いパラグアイに、体当たりで全力でぶつかった日本チームに感動。
最後の最後まで目が離せない戦いでした。

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