リスト@室蘭

「こちらは氷点下です。温かくしていらしてください。」と直前にメールをいただき、ダウンのコートに雪ブーツ、革の手袋に毛糸の帽子という、お洒落は二の次、三の次。。。完璧な防寒服で室蘭入り。

エルム楽器室蘭支店サロンで、拙著『リストとベーゼンドルファー』をテキストにレクチャー。朝の10時から「ロマン派の本質は、夜の音楽」というウラディミール・ジェンケレヴィッチの言葉を紹介。まさしく夜の音楽である 「夜想曲 愛の夢」「ため息」「コンソレーション」「献呈」など弾かせていただき、午後からは生徒さん達にレッスン。

秋の苫小牧でのリサイタルにいらしてくださっていたピアノの先生方とも嬉しい再会。
子供達一人一人に向き合う先生方が、将来の進路を共に真剣に考え、それぞれの個性に寄り添い、導いておられる姿に多くを教えていただきました。
音楽を好きになるか嫌いになるかの分かれ道は、子供の時の先生次第。いい先生に出会えた幸運の中で、目標に向かって頑張っている生徒さん達のレッスンは楽しい時間。そして子供達の笑顔、ピアノに向かう真剣な眼差しに元気をもらいました。

新日鉄の工場などがあり、工業の街として知られる室蘭。
ピアノの先生方の間では、鉄づくりの街ということで?!硬くしっかりとした「室蘭弾き」、のんびりした「帯広弾き」という言葉があるそうです。広い北海道は、エリアによって、子供達の性格や演奏も異なるというお話。「土地柄で演奏が変わるなんて、まさか。」と思ったのですが、しっかりと弾く生徒さん達の演奏を聞くうちに、妙に納得した次第。

レッスンを終えて外に出ると外の気温はマイナス4.5度。これってもしかして冷凍庫の中?

凍てついた道を滑らないよう、よちよちと小股で歩き、ホテルに戻りました。

雪は少ないけれど風が強いのが室蘭の特徴だとか。風速10メートルは当たり前。15メートルになると、東日本最大のつり橋(全長1380メートル)「白鳥大橋」は通行止めになるそうです。

たいていどこに行ってもバタンキューでぐっすり眠る私なのですが、今回は夜の突風の音でなかなか寝付けませんでした。

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