開かれた大学

若者が集い、学び、悩み、青春時代を過ごす大学。10代、20代の学生達と共にいる時間、私自身も斬新な発想に刺激を受けたり、柔軟な考え方に共感を覚えたりしています。スマホやコンピュータが当たり前に育った彼らは、私の数倍の速さで使いこなし、「昭和」の私は教えてもらう事ばかり。

今年の2月は寒い日が続き、朝の出講時はコートの襟を立てて校門に入っていますが、屋上からはくっきりと富士山が見え、冬の木に赤く綺麗な実が光っています。

「この校門に、創立以来何人の大学生が通ったのだろう?」と天文学的な数字を思い浮かべたりしています。

大学生だけではなく、社会人対象の講座を受講してくださる大人の方、卒業生、オープンキャンパスに来る子供達、そして付き添いの保護者の方、聴講生として通われている熟年の音楽愛好家の方等々。コロナ禍で制限されていた外部との扉も、最近再び開かれるようになりました。

国立音大はソルボンヌ、カールスルーエ、バーゼル、ジュネーヴなど世界13の大学と国際交流協定を締結しており、現在、私のクラスでも中国からの留学生がピアノを学んでいます。これからさらに国際交流は盛んになることでしょう。

そして近隣の市との連携協定も結ばれており、2月12日には羽村市との連携協定締結一周年を記念し、羽村市プリモホールゆとろぎ大ホールで室内楽の演奏会が行われました。円熟の名演で聴衆を魅了した武田忠善学長のモーツァルト:クラリネット五重奏曲、澤畑恵美先生(ソプラノ)と沢田千秋先生(ピアノ)も交えてのシューベルト最晩年の名曲『岩上の羊飼い』、そしてヴァイオリンの永峰高志先生は司会、演奏、解説を一手に担い、演奏会の核として弦楽四重奏を率いていらっしゃいました。

音響の良いプリモホールは、市民の皆さんの憩いの場ともなっており、大学と市との連携・協力から、市民の皆さんと大学の先生、学生との活発な交流が生まれ、いい循環の輪が作られているように感じました。

来月26日には、立川市と国立音大連携協定によるコンサート、たましんRISURUホールにおいてシューマン:ピアノ五重奏曲と幻想小曲集を弾かせていただきます。お近くの皆様、どうぞおでかけください。

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