かつしかシンフォニーヒルズ

かつしかシンフォニーヒルズでの4回シリーズの3回目です。
ピアノ・ソナタ K333,K331、などモーツァルトの円熟期の作品を聞いていただきました。
モーツァルトをスタインウェイで弾くときは、鋭さ、強さをどこまででコントロールするか、ということが意識に上ります。
K333は、緊張感に満ち、大きなスケールを持った作品なので、自分の気持ちいっぱいに表現するとかなりの音量になってしまうからです。優雅さ、美しさを保つ中で、それらを出す、というバランス感覚が求められるのだと思います。
今日は、コンチェルトK466、K488のカデンツなど、そしてクレメンティのソナタなどを、併せて聞いていただきました。
こうやって、人生を追いながら、ひとつひとつの作品を見て行きますと、「人生と作品は別もの」という作曲家と違って、モーツァルトは、それぞれの人生のエポックで、心情を吐露しているというのを実感します。
10月、さわやかな秋晴れの季節です。
モーツァルトの父レオポルドは、クラヴィーア曲集「四季」の中で、10月ワインの月という曲を書いています。
ワイン好きにはたまらない季節だったことと想像します。
伝記に載っている、いかめしそうな顔とはまた違う、ワインを飲みながらの笑顔の日もあったことでしょう。
レオポルトは相当いけるクチだったと伝えられています。

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